こんにちは、「情報はなるべくオープンな場所に」をモットーにTwitterを活用している おがた (@xtetsuji) です。
先日、4月24日になりますが、「Twitter API勉強会」に行ってきました。今回からタイトルに回数が入らなくなりましたが、前回が第5回なので、今回は第6回ということになります。毎月月末開催の活発な勉強会の一つです。
私は今回を含めて3回連続の参加。前回は(グダった)トーク(Slideshare)をしましたが、今回は純粋に聴衆側として参加してきました (今回のfoursquareチェックイン)。
前回同様、公式サイトは無いようですが、Zusaarのイベント開催ページや、Togetterのまとめがあります。
- Zusaar: 4月24日(火) – Twitter API勉強会 @デジタルハリウッド東京本校(@dh_tokyo) #twtr_hack 【社会人枠】
- Togetter: 2012/04/24 (火) – Twitter API勉強会 @デジタルハリウッド東京本校(@dh_tokyo) #twtr_hack
今回の会場は、前々回(第4回)に行われた御茶ノ水のデジタルハリウッド東京本校さんでした。
Twitter API利用規約 5月のAPI改訂
最初のトークは、@yusukeyさんによる2012年5月12日に変更されるとアナウンスがあったAPIのお話。
このトークは多くのTwitterを使ったサービスの開発者に興味深い事柄ですが、幸いなことにSlideshareで公開してくださっています(2012年5月14日のAPI改訂 概要、Twitter API利用規約概要)。また@yusukeyさんによるブログ記事「第6回Twitter API勉強会を開催いたしました – ビデオ・スライドまとめ #twtr_hack」にてこのトークを含む当日のビデオがとスライドがまとめて観られます。
大きく分けていくつかのセクションに分けて解説をされていました。
- Rules of Road
- I. Twitter Content
- II. Principles
- III. Twitter Functionally in your Service
- IV. Commercial Use
- V. Other Legal Terms
とりあえず「II. Principles」を読んでおけばOKだそうです。憲法のようなもの。
詳細は、上記リンクからたどってください。以下は自分の手元のメモより。
「I. Twitter Content」のメモ。
- Twitterの利用規約の上になりたつ。
- Twitterロゴ使ってよい(というか公式の鳥アイコン”Larry”を使ってほしい)
- 事前の書面での許可なしにTwitter API自体、またはそこから取得したデータの販売、貸与、サブライセンス、再配布することは不可。
- アフィリエイトとか有償サービスを作るのはいいけど「APIから取ってきたデータ自体」を販売するのは不可
「II. Principles」のメモ。
「憲法のようなもの。これを読んでおけばひとまずOK」
- ユーザを驚かせない
- ユーザが意図しないタイミングでのツイートやフォローなどを行わない
- スパム行為の禁止
- ユーザプライバシーの尊重
- 削除したツイートの保管などはしてはならない
魚拓のようなサービスはダメ - Be a good partner to Twitter
常識的に考えて
「III. Twitter Functionally in your Service」のメモ。
- どのアカウントで入ったのか、わかるように
「IV. Commercial Use」のメモ。
- ユーザの体験を損ねない、サービスはタイムラインの外側に構築する。
- バナー広告をタイムライン内に配置してはいけない
バナーはバナーとわかるように - タイムライン近くに配置したバナー広告は明確に別れている必要がある。ツイートに見せかけた広告表示は禁止。ちなみに広告とわかるツイートはOK
- 逆にツイートをさせて広告をさせるというのは規約としてはアリ。フォロワーの多い人に商品宣伝をしてもらったりはアリ。ツイートに見せかけた広告はダメということ。
「V. Other Legal Terms」のメモ。
- TwitterはいつでもTwitter APIやTwitterコンテントへのアクセスを遮断する権利を持つ
- Twitterは将来Twitter APIや規約、ディスプレイガイドラインを変更する権利を持つ
これはよくある免責事項のようなものですね。いちおうポリシーとしては1ヶ月前までには変更はアナウンスされるとのことです。
- ディスプレイガイドライン https://dev.twitter.com/terms/display-guidelines
- ロゴ・商標ガイドライン
Twitter連携をしているボタンには公式の鳥アイコン”Larry”を使ってね
http://support.twitter.com/articles/
逆に t アイコンとかを使うのはあまりおすすめできない。 - Twitterロゴとアイコン https://twitter.com/about/resources/logos
- Twitter登録商標の利用ガイドライン https://support.twitter.com/articles/270444-twitter
「Twitterもげもげ」という名前にするならTwitter専用にしてくださいね、などなど
「アプリ/サービスローンチチェックリスト」のメモ
- 自動化されたツイートがいつ行われるのかユーザが明確になっている
- フォローは自動化されていない (商品名をさけんだ人を自動フォローとかはダメよ)
- 急激なフォローは行わない
- アンフォローは自動化されていない
- ツイート/DMの自動化寄稿にはリミッターがある(1日1000ツイート、250DM、特に@ツイート、URL入りツイートに注意)
- ディスプレイ、商標ガイドラインを守っている
- 広告はタイムラインとは明確に区別できるようになっている
- むやみにツイートを永続化していない
ユーザがツイートの削除をできるように、またはsite streamで削除ツイートは消えるように - 固定アカウントから@ツイートをする場合は利用者に事前フォローをさせている (http://cp.redbull.jp/tweet の例)
- 恐れずローンチしてください
- 万が一アプリ/アカウント凍結されたらお問い合わせ https://support.twitter.com/forms
- 組織的にチェックしたいデベロッパ向け情報
dev.twitter.com – Twitter API利用規約
support.twitter.com – レートリミット - …;などなど
「5月のAPI改訂」の概要メモ。
- Twitter APIは2006年から互換性を保ってきた
- 一部はTwitterのスケーラビリティに支障
- 新旧APIで新しいAPIデベロッパーが混乱
- いったん一区切りしましょう。
具体的なAPI改訂については、一覧 https://dev.twitter.com/docs/deprecations/spring-2012 を参照するか、上記スライドorビデオを参照いただけると分かると思います。メモの転記に疲れた?いや、ここは開発に関わる部分なので公式に近い情報を当たって欲しいという理由です(言い訳?)。
当然の流れかと思いますが、今後のTwitter APIはJSON中心になっていき、今回でAtom形式のエンドポイントが無くなります。今後、XML形式も無くなるかもしれない、とのお話もありました。
Twitter Internationalization
@kn さんによるTwitterの国際化のお話。
現在のTwitterは28ヶ国語。50万人のボランティアが翻訳をしているそうです。その翻訳の受理の流れなどを解説してくださいました。
twiccaについて
twiccaの作者 @R246 (アオヤマテツヤ)さんによる、AndroidのTwitterクライアント「twicca(ついっか)」の話。
もともとはPHPやJavaScriptやももクロ(?)等のサーバサイドエンジニアだったそうですが、Android初期のTwitterクライアントのあまりの出来の悪さに「つい、カッ」となってつくったのが「twicca」だそうです。「当時はJavaとか知らなかった」という発言もありましたが、「つい、カッ」となった勢いはすごいなと思いました。
ネタが無いので、Twitterで「twiccaについて聞きたいこと」というツイートを流してみたとのこと。
twiccaを開発しようと思ったのは2009年7月当時、満足いくTwitterクライアントがなかったから。前段のお話です。
twiccaではユーザに「色」を割り当てることができるのが特長。クラスタごとに色分けをしたりすることで、タイムライン上の視認性をあげることができる。これは大事なツイートを見逃さないためのツイートなので「カラーラベルのご利用は計画的に」とのこと。
バックアップ/同期を実装しない理由→クラウド同期がかっこいい→クラウド同期ができない理由→サーバ料金を賄えない。
「twiccaサポーターズ」というのがあるそうで、twiccaの開発支援プログラムのようです。シェアウェアではないけど、twiccaを金銭面で応援したい人のための制度。目立つ告知はしていないそう。これに参加するとアプリ内の「twiccaについて」に名前が掲載されるらしい。「twiccaは儂が育てた」と言ってよいそうです。
「例の脆弱性」JVN#31860555 についてもお話がなされました。
「お金を積まれたら売る?」という質問には「売りません」とハッキリ発言。「サポーターズが居る限り」。カッコイイ。
最後にtwiccaアイコンの変遷を解説されて終わりました。
私も寝かせているAndroid端末があるので、ぜひそれでtwiccaを使ってみたいと思いました。
LT: 女子中高生とTwitter4J
@i2key さん。リクルート(MTL?)の中の人。
「 マイクロコンテンツ化」という仮説を打ち立てて「3文字の絵文字」で情報を伝達できないか、というサービス「さんもじ絵文字できもち伝わる!Happy Balloon」の紹介をされました。
これはタイトルからも分かるようにネタLTの傾向もあって、動画のほうが場の面白さの雰囲気があるので、時間に余裕のある方は動画のほうをご覧いただくと良いと思います。
返信と@ツイートの仕様変更と提案
@tkawa (川村徹) さんによる、返信と@ツイートのTwitter仕様に対する提案のお話。
真面目なお話でしたが、個人的にこれはかなり有意義なトークでした。返信というメタデータと、返信と扱われるか扱われないか現状曖昧な「@ツイート」の仕様について、もっと明確に良い方向になっていって欲しいと思わされました。
詳しくは当該スライドをご覧いただくといいかと思います。
dotcloudによるすぐ始めるtwitter webアプリ開発
@yut148 さんによるdotCloudを使ったウェブアプリ開発のお話。クラウドを大量に使っているゲーム会社 or エンタテインメント会社に所属して、普段はPHPやPythonを使う方らしいです。
dotCloudを使えばとりあえずドメイン名は振られるので、Twitterのアプリ開発に必要なドメイン名を確保することができるとのこと。それに最初はFree!
Freeアカウントの制限は「登録できるアプリは2つまで」「ディスク容量」とのこと。
dotCloudはPHPやPythonだけでなく、様々な言語の様々な環境が選べるので、今後PaaSの環境として要注目かもしれません。2サービスまでなら無料で作れますし、より複数のサービスを作るのであればディレクトリ構成を工夫したりすることでやりくりできるらしいです。
@yut148 さんは本当にdotCloudが好きな方なようで、dotcloudユーザ会(仮称)を作って活動をしはじめているとのことです。
「困ったら@yut148 に質問送っていただければベストエフォートで答えるよ。」という心強いお言葉も。
私も以前、無料だったのでdotCloudにアカウントを登録したっきり使っていなかったので、これを機会に今度時間を作っていじってみたいと思いました。
最後に
情報源
今まで一通りAPIやったので、次回は「Twitter API勉強会」から違う名前に衣替えをする予定だそうです。名前募集中。
- 名称変更「Twitter API勉強会」→「Twitter Hack(仮)」
- 次回開催:5月末、6月末、7月末
スピーカー常に募集中!
懇親会
今回は貸し会議室での「立食パーティ」形式ではなく、会場すぐ近くの居酒屋での開催となりました。
当初自分が懇親会に申し込んだ時には定員割れになって開催されないのではないかと危惧していましたが、駆け込みで多くの方が参加されて、居酒屋の予約席は満席状態になりました。
Twitter API勉強会といいつつ、私の席ではTwitterの話よりもコンピュータ昔話に花が咲いていた気もしますが、それもまた一興でしょう。
定期的にTwitter開発の旬な話が聞けたり、著名なTwitterクライアントの作者の方のお話が聴ける、この勉強会。非常に有意義でして、私もかれこれ3回の参加をしていますが、今後も予定と体調が許す限り、参加して勉強させていただきたいと思いました。