こんにちは、最近はTwitterで開放的に発言しているおがた (@xtetsuji) です。
ネットを検索していると「TwitterとFacebookを連携すべきか」「Twitterの投稿をFacebookに流すべきか」「Facebookの投稿をTwitterに流すべきか」という疑問が散見されました。私もどうするのがいいのかと思っていたので、興味深く読みあさってみましたが、後述の理由によりあまり参考になりませんでした。
この場合、「すべきです」という「主張」は少なくて、そういう人は主張するまでもなく「やり方」を書いて終わりにする人が多いようです。2012年11月現在であれば、https://twitter.com/settings/profile にアクセスしてTwitter社が提供するTwitter→Facebookの連携投稿が設定できます。Facebook→Twitterの連携投稿も https://apps.facebook.com/twitter/ 等でできるんじゃないでしょうか、以上、って感じです。すべきメリットとかの主張は無し。あらら。
一方、「すべきではない」という主張をする人も一定数いて、特にFacebookに思い入れのある方の一部がそういう主張をしている事が多いようです。ただ、理由が論理的でないところが笑いどころで、「TwitterとFacebookは空気感が違うからです!!!!!!」なんてキリッと言ってしまうところが意味不明。空気感って何だ?文字数の違い?こういう回答をしている人は大抵「Facebook◯◯の会」「SNS◯◯の会」といった肩書きを名乗っているのも面白かったです。思い入れ強いんだね。
…;とは言っても、私のTwitter TL、Facebookニュースフィード、両方じっくり見ていても、そんな空気感の違いがあるようには思えない。Twitterでも承前承前を繰り返して140文字をはるかに越える議論を展開した挙句Togetterでまとめられるケースもあったり、比較的長文が投稿できるFacebookでも一言二言しか投稿しない人がいたり、投稿内容や投稿文字数が醸し出している空気感という違いは無いように感じます。Twitterはエコシステムが発達しているので、画像を添付したりも擬似的にできますし、その点の機能についてはFacebookと大差ない。
まぁ、Twitterは不幸自慢、Facebookはリア充自慢が蔓延している傾向といった違いはありますが、リア充自慢はSNSの歴史が始まってからの伝統みたいなものがありますから。Twitter社はTwitterのことをSNSではなく「マイクロブログ」と読んでSNSではないと否定しているわけで、私もそれに賛同する派です。
ただ、TwitterにはRTがあったり、Facebookには「いいね!」やシェアがあったり、両者には機能的に違うものがあるのは確かです。同じTwitterでも、ウェブで見るのと各種クライアントソフトで見る場合では風景が違うように見えるのは気のせいではないでしょう(Twitter社は現在、Display Requirementsを開発者に強要する事でその違いを排除しようとしているようですが)。
ではどうするべきか、考えてみました。
Twitter→Facebook連携の場合
「Twitter→Facebook連携」と仮に名づけてみましたが、Twitterの特定のアカウントに投稿した内容をFacebookのウォールやページに投稿することです。
この機能はTwitter社が提供していて、2012年11月現在 https://twitter.com/settings/profile にアクセスすればすぐに設定することができます。Facebookでもサードパーティが作った機能もあるけど、たぶん似たり寄ったりだったりTwitter社のDisplay Requirementsで排除されるかもしれなかったり、流動的なので、もしやるのであったらTwitter社公式の機能を使ったほうがいいんじゃないかな、というのが私の考え。
ただ、この機能はTwitter社公式(?)の機能にも関わらず、連投したツイートを本当によくこぼす。後述の議論にもありますが、これでは色々と使えない。
「ところで、Twitter→Facebook連携はすべきなの?すべきでないの?」の私なりの答えをしていませんでした。
私なりの回答をしますと「文脈を持ったツイートをFacebookにフィードするのはやめたほうがいいのではないか、それ以外はご自由にどうぞ」といった感じになるでしょうか。
では「文脈を持ったツイート」とは何かというと
- 承前を繰り返して複数のツイートで140文字以上の発言をTwitterでする場合
- 公式RTをした直後に、その公式RTをしたツイートについて言及する場合
- 非公式RT
- ハッシュタグを伴ったもの、特に実況、いわゆる「tsudaる」行為
等のこと。
先ほども挙げた通り、Twitter→Facebook連携は、よくツイートをこぼします。例えば A B C Dとツイートを連投した場合、B をこぼすことは結構あります。また、Facebookの恣意的なエッジランクにより、他者のFacebookニュースフィードでは、A B C D の順で表示されるとは限らないという点もポイントです(その人のウォールに行けば順序そのものが見られますが、そこまでする人が一体どれくらいいるでしょうか)。最悪、「Bをこぼされる→FacebookのエッジランクによってニュースフィードからCが重要でないと見なされ表示されない→時系列無視されて D A の順で表示される」といった無茶苦茶なことがこのシステムでは起こりえます。
この場合「文脈を持たないツイート」つまり1ツイート完結の話題であれば何の問題もありません。こぼされても、エッジランクで淘汰されても他に影響ありません。ただ、そのツイートが文脈を持っていた場合、他のツイートへのフォローや他のツイートからの参照となっていた場合、時と場合によってはFacebookのニュースフィード上で意味不明となる事があります。
特に上記の現象は連投によって起こる事が多く、実況(tsudaる)行為をする人は、普段Twitter→Facebook連携をしていても、実況時には一時的にオフにするくらいしたほうがいいと思います。他者のニュースフィードを埋めて迷惑をかけるからではなく、文脈無視の無茶苦茶な時系列での情報連投になるかもしれないからです。
RTの話では、公式RTは、たぶん標準のTwitter→Facebook連携ではフィードされないはずです。それなのに「さっきのRT…;」というツイートがFacebookにフィードされても意味不明であることは確かでしょう。非公式RTも文脈を持っていて、Twitterの世界の人はそれを追いやすいかもしれませんが、Facebookの世界に閉じこもっている人にとっては、単体でそれを切りだされても分からないといった問題をはらんでいます。RTを実際のツイート上の文脈で語るようなTwitterの使いかたをしている人には、少なくとも私はTwitter→Facebook連携はおすすめできません。私はそれほどFacebook愛がある人ではありませんが、Facebook愛のある人に嫌われるのはTwitterのRT文脈をFacebookに持ち込むことなんじゃないかと勝手に想像しています。
それ以外の一話完結のツイートの場合、Facebookにフィードされたおかげで、Facebookの返信で話題が盛り上がったり、良いこともあるんじゃないでしょうか。連携関係なく、Facebook内部での投稿の場合は、Facebookのコメント機能を利用することが多いので、それがいわゆるスレッドとして機能することで文脈を表現することができます。
Facebook→Twitter連携の場合
今度は逆のケース、Facebookのウォールに投稿した内容を、Twitterの特定のアカウントでツイートする内容です。
これに関しての私なりの回答をしますと「自分のウォールを公開設定にしている人、そうでない人は投稿時の公開範囲設定を理解した人なら問題無さそう。ただ、140文字を越えるポストを繰り返すとTwitterから読むときにリンクを踏むのが相当面倒くさいと思われる」でしょうか。
なんか複雑になってしまいましたが、これの否定形をしているFacebook→Twitter連携のツイートの見え方を考えると良さそうです。
まずは自分のウォールを公開設定にしていない人は、140文字で収まらない長文投稿や、画像等の添付がある投稿は “fb.me” URL を伴ったツイートとして投稿されます。この先にアクセスすれば投稿内容を見ることができるからTwitterにツイートしても問題無いと思われる人もいるかもしれませんが、私はこれが面倒でなりません。たとえブラウザでFacebookにログインしている状態の人でも、iPhone/Android等のスマートフォンではTwitter専用クライアントを使っているケースがあります。そういう場合、URLクリックをアプリ内ブラウザで開こうとするわけです。そこで自分のFacebookウォールを公開設定にしていない人は「Facebookにログインしないと見られないよ」というページを見ることになるわけです。これは面倒臭い。Twitterのオープンな世界と相容れないと感じます。
Facebook→Twitter連携をしている人でも、普段は「友達のみ」の公開範囲で投稿している人はTwitterへのフィードは発生しないはずです。そういう人はFacebookの「公開」で投稿した場合にのみTwitterへのフィードが発生することが分かっているので、そういうときはTwitter向きのコンパクトな発言をしようと理解するクッションが生まれるはずです(と期待しています)。「友達のみ」にはじっくりとFacebookで長文を語り、世間に「公開」する発言はボソッと一言であれば、Facebook→Twitter連携の親和性が生かされることになるでしょう。
その他のアプリとのFacebookやTwitterの連携の場合は?
FacebookやTwitterは事実上の標準となったことは異論がないと思います。
その他のアプリとのFacebookやTwitterの連携はどうすると良いでしょうか。この場合、2通りの大別をしてみましょう。
- SNSやマイクロブログ
- それ以外
SNSやマイクロブログというのは、例えばmixiボイス等のことですね。この場合、mixiボイス→Twitterという連携が考えられます(逆は通常の方法ではできない)。この場合も文脈の議論を持ち出せばいいと思います。mixiボイスならmixiの世界の文脈をTwitterに持ち出したとして、Twitterのみの世界の人に通じるかという思考。mixiボイスで一話完結したボイスをTwitterにフィードするのは何の問題もないと思います。{その他のSNSやマイクロブログ}→Facebookのような連携も同様でしょう。
それ以外のアプリも、TwitterやFacebookへの連携投稿をサポートしているものはたくさんあります。例えばInstagramやFoursquare等。Instagramなどは「写真SNS」などとSNSに強引にくくられるケースもありますが、「いわゆるSNS」と、何らかのキー(Instagramであれば写真)を軸としたゆるいコミュニケーションサイトは別に考えたいところです。
こういうサイトの場合は「一話完結」している場合がほとんどなので、InstagramでTwitterやFacebookに写真投稿、FoursquareでTwitterやFacebookに位置情報投稿というのは一つの話題として良い活用法だと思います。ただ、なぜかはよく分かりませんが、私のTLでは #nowplaying (今聴いている曲) は嫌われる傾向にあるようです。この部分は、通常の投稿同様、何事も限度があって、つまらない写真をInstagramで投稿フィードし続けたり、どうでもいい位置情報をFoursquareで投稿フィードし続けたりしたら、まぁ私でもウザイなぁと思いますね。私はFoursquareのヘビーユーザですが、比較的人の興味をひくと思われる場所のみフィードして、バス停や鉄道駅などへのチェックインはフィードしないようにしています。
じゃぁ、あなたは今どうしているの?
以前はTwitter→Facebook連携をしていましたが、前述の「こぼす」問題、あと私があまりFacebookで好まれるような「リア充投稿」をしないので「ちょっと馴染まないなぁ」ということで、現在は連携を切っています。
ただ、Facebook世界の人たちの興味を引くような一話完結のツイートは、別途手作業でFacebookにもクロスポスト(?)するようにしています。私の場合は、Twitterクライアント「夜フクロウ」「Tweetbot for iOS」に投稿するときにツイートをコピーしておいて、Facebookにも合うかなと思った投稿を、OS X / iOS 標準の Facebook 投稿機能でペーストして投稿するというスタイルをとっています。
そういうのが面倒な人の場合、HootSuite等は標準でクロスポストをサポートしているので、そういうクライアントを使うのがおすすめです。私の場合は、Twitterクライアントはユーザストリーム対応じゃないとというこだわりがあるので、夜フクロウやTweetbotを使っているだけに過ぎません。
Instagram、Foursquare等のサイトの投稿は選別しつつTwitterとFacebookにフィードしています。前述の通り、バス停や鉄道駅などのFoursquareチェックインは除きますが、大体はフィードしていますね。その他のアプリについても、だいたいそんな感じ。ただ、ハッシュタグ付きポスト等、Twitterの文脈を強く持っているInstagramやFoursquareの投稿やチェックインの場合はFacebookには投稿しない、といったこともします。
Twitter→FacebookもしくはFacebook→Twitterという連携をしている場合、他のアプリからTwitterとFacebookに同時投稿をした場合に、どちらかに多重投稿をしてしまう可能性があるのもデメリットではあります。私がTwitter→Facebook連携を切った一つの理由でもあります。Facebookのニュースフィードで「それは情弱の所業」と断罪していた人がいたのもキッカケでした。まぁ、Facebookのエッジランクに期待とはいえ、同じ内容の投稿が複数流れてきて気持ちいい人はあまりいないでしょうね。
「TwitterがRSSを殺した」という言葉もあるようですが、ブログの投稿などもTwitterとFacebookに自動ポストするようにしています。私の場合は2012年11月現在Posterousというブログサービスを使っていますが、現在の大抵のブログサービスにはTwitterやFacebookへの更新通知機能は存在するでしょう。そういう点では、RSS/Atomなどのフィードリーダーを知らなかった人も、半リアルタイムで情報をプッシュできるTwitter/Facebookは新しい時代のフィードリーダーといっても過言ではないのかもしれません。
Google+はどうですか?他はどうですか?
Google+も使ってみたいのですが、久々に行ってみたら見事に廃墟になっていて、退散してきました。TwitterのEvil化(API改訂など)、Facebookの独占などが騒がれますが、現状Google+はそもそも書き込みAPIも持たず、それゆえエコシステムも育たないので、そこが解決されない限り使い勝手は悪いよなぁというのが印象です。ウェブの作り込みは見事なんですけどね。
Google+の投稿読み込みAPIは存在するので、Google+を起点としてTwitterやFacebookへフィードするという使い方もあるようです。
Google+の最近は、ハングアウトなど、TwitterやFacebookよりもミーティングや議論に適した機能などがあるので、一度は使ってみたいものですが、人が集まらない限りはどうしようもないなという感想です。
TwitterやFacebookがEvil化しようと不穏な動きをしようと、多少のことでは現状は揺るがないでしょう。3年先はどうか分かりませんが、少なくともここ1年2年はそうであると言えます。プロプライエタリなシステムが嫌いだと公言している人もTwitterやFacebookを(仕方なく?)使っている時代です。SNSは言うにおよばず、Twitterが属するマイクロブログというジャンルも乱立の時代を経て淘汰され、今後はせいぜい「特化型」が細々と生き残るのではないでしょうか。
「使い分け」なんて考える必要無いんじゃない?
全てに平等に情報をフィードして、全てを平等に使うというのももちろんアリかと思います。この記事では「…;すべし」といった強制はしていませんので、この記事が何かの参考になれば幸いです。