xtetsuji) です。
おがた (@YAPC::Asia Tokyo 2013 2日目編。その他の「YAPC::Asia Tokyo 2013」関連記事は目次ブログ記事からどうぞ。
聴講したトークなど
列挙していきます。
- Mojoliciousでつくる!Webアプリ入門
- これからのPerlプロダクトのかたち
- Emacs実践入門 Perl編
- 本当にあったレガシーな話
- 地域PM紹介型ボードゲーム「PM(ぷむ)からの野望」の考案と実践
- PhantomJSによる多岐にわたる広告枠の確実な表示テスト
- フルテストも50msで終わらせたい 〜 FreakOutの取り組み 〜
- Lightning Talks Day 2
- Keynote
- YAPC::Asia Tokyo 2013 クロージング
トーク雑感
@yusukebe さんのMojoliciousトーク、相当期待していたのですが初心者向けで、多くは既に知っていることが多かったです。とはいえ振り返りができたり、自分が取っていた手法は間違いじゃないんだということを確認できて良かったトークでした。@yusukebe さんには日本有数のサイト開発運用経験を元にMojoliciousの書籍執筆を期待したいです。絶対買います。
@goccy54 さんの「これからのPerlプロダクトのかたち」は、昨年の氏のトーク同様、多くの注目が集まっていました。gperlの構文解析の成果を現状のPerl5にポートして、それによってiOS開発ができる(RubyでいうRubyMotionのような)PerlMotionを作成中という話も期待が持てます。すでに構文解析の成果をPerl5で実現したモジュールは各所で使われており、PPIより速いと好評のようです。さすがPerlを根底から理解しようとした強者ならではのトークでした。
@typester さんによるEmacsの話は、Emacsユーザとして初歩的ではあったものの、いまどきの流行を知ることが出来て良かったです。anything.el すら面倒で入れていなかったのですが、今はまた別のブームがあるようで、まだCarbon Emacsの環境をCocoa Emacsに作り替えるタイミングで、スライドを見ながら大いに参考にしようと思っています。
@lestrrat さんによるレガシー話。Apache1.3+mod_perl1+Sledgeという構成のlivedoorBlogをPSGI化したという話でしたが、40分まるまるmod_perl disで、前日にmod_perlトークをした私は終始ハラハラしながら聴講していました。とはいえ、どこに真意があるのかはmod_perlをかなり使っている私は分かっていて、同意することしきりではありました。
壇上でmod_perl disが繰り広げられているときに、こんなツイートをいただいて、どうしようかなって思ったり。結局質問タイムが無くて公開の場で質問する機会は無かったのですが、結果的にそれで良かったかなと思っています。
mod_perl disが激しいので質疑応答タイムで @xtetsuji さんとガチバトルが始まるのを密かに期待している #yapcasia
— かるぱねるら (@karupanerura) September 21, 2013
会場で爆笑していた人がたくさんいましたが、何がダメだったのか、本質を見抜いていた人はどれだけいたのかなぁ。これについても語ると長くなるので、別ブログ記事で解説したいと思っています。
@maka2_donzoko さんによるボードゲーム話、「サラダ枠」とのことで、毎年楽しみにしている枠でもあります。今年も本当に面白かった。JSON::PP などの重要モジュールのメンテナーでもあるまかまかさんですが、人を楽しませる心意気には感心することしきりです。このトークは動画もスライドも、見たら元気が出るトークです。
PhantomJSの話、以前から気になっていたJavaScriptプロダクトだったので、結構興味深かったです。Seleniumとどういう違いがあるのかな…未だに理解不足な部分が多いですが、とっかかりとしてPhantomJSをいじってみようというキッカケになったことは良かったです。
@myfinder さんの、フルテストも50msec話は面白かったですね。日々増えるテスト、さすがに50msecでは終わらないそうですが、それにしてもテストが根付いた文化というのはうらやましいというか私の境遇からは想像できないので、終始感心しっぱなしでした。テストがあるおかげで安心してデプロイが出来て、新しいものを躊躇すること無くリリースできる好循環。モダンな開発環境が整った時代から始まった会社とはいえ、さすがフリークアウト。
LT雑感
1日目に続き、2日目のLTも盛り上がりました。こちらも、5分弱の録画ビデオが公開されているので、1日目同様、笑いたい時、楽しみたい時に見返すとよいかもしれません。
印象に残ったLTから抜粋してご紹介。
- 今年のPerl同人活動報告 と銘打った @maka2_donzoko さんの同人報告。今年も大舞台で同人活動宣言。これは期待。
- @azumakuniyuki さんの、JSONでメールが送信できるHainekoの話。とある要請で作ったようですが、当面メールが無くなることがないわけで、Ajaxなどを使ってメールを送信したいという要求を満たすことができるのではないでしょうか。興味深いです。
- @barimi さんの「初めてのPerl ~ つぶやいてないでコードかけ ~」。@yusukebe さんを味方につければ素人でも5日でTwitterボットが書ける!冗談っぽい話ではありますが、人に聞くというのは大切なことですね。
- @__papix__ さんによる「Perl入学式2013年度中間報告」。これからも期待しています。
- @cubicdaiya さんによる Nginx に mbruby を組み込む話。Pixivでは Nginx+mrubyを精力的に使っているのでしょうか。なかなか興味深い。こういうトークも自然と受け入れられるところがPerlの祭典であってエンジニアの祭典でもあるYAPC::Asiaの懐深さなのかもしれません。mruby期待しています。
- @takesako さん、今年は○×クイズでLT。いやはや、全員起立の参加型LTなんて初めてでしたよ。そして難問をクリアしたのがラクダ本の和訳をした近藤先生というのだから、なんというチート。面白かったです。
Keynote
LINE社の池邉さんによるKeynote。例年、この最後の枠はスピリチュアルというか、エンジニアという立場を俯瞰した視点でのトークがなされますが、今年もじんわりと響くトークでした。
池邉さんはlivedoor時代(もっと前?)から長く会社の技術を支えてこられて今の位置にいたりするわけで、業界の人間として何か感慨深いものがありました。大昔のYAPCで池邉さんのトークを聴講したこともありましたが、その時から立場が変わって、たとえ人の上に立つ立場となっても技術者視点を忘れないということは大切だなーと思いました。
Closing
例年のYAPC::Asia同様、牧さんによるClosing。今年の入場者数が1000人越えといった発表の後、牧さんと櫛井さんが今年でYAPC::Asiaの運営から卒業するという突然の発表。そして来年のYAPCは誰かが名乗りでないと開催されないという、さらに衝撃の発表。
しかしながら、地方でYAPCするぞというLTもあったり、今年の規模を越えることはできないにしても、来年のYAPC::Asiaは何らかの形で行われるのではないか、私はそう期待していますし、何か協力できることがあれば出来る限り積極的に協力していきたいです。
昼食
ちょっと時間を巻き戻して正午の昼食ですが、1日目同様2日目も学食へ行きました。慶応大学の学食、本当に安くておいしい。生活圏内に欲しいくらいでした。
昨日は気付かなかったけど、4sqにvenueがあったのでチェックイン。冷麺うまかった。
勝手に後夜祭
Closingの後、勝手に後夜祭に参加。
- @ 若竹 日吉駅前店
狭い店の中に60人以上が入って、鉄板の暑さと人の暑さですごいことに。ぎゅうぎゅう詰めの中、著名なPerl Monger達が立ったり座ったり暑い暑い言いながら懇親を深めました。
初期フードメニューはこんな感じ。食べ飲み放題でしたが、コナモノなのですぐに満腹になりました。
そしてこの人のひしめき合う狭さ!
あまりの狭さに懇親よりも「暑い暑い」と言っている時間が長かった気もしますが、それでも様々な方と会話ができたりして楽しかったです。金銭的時間的に余裕があれば、こういう場には積極的に参加したいですね。それだけ実りのある会話ができて、実りのある時間が過ごせます。
23時頃に解散。前夜祭も含めて3日間の疲れが出ないうちに帰宅となりました。
噂によると、八王子近辺在住のHachioji.pm勢はこの後、朝まで八王子で飲んでいたとか。すごい。
今後に向けて
3日間のYAPC::Asia Tokyo 2013の最後が「牧さんと櫛井さんのYAPC::Asia運営卒業。来年のYAPC::Asiaは誰かがやらない限り行われない」というものでしたが、きっと誰かがやってくれると楽観できるのは、この3日間で実感したPerlコミュニティの熱い想いがあるからでしょう。地域.pmもたくさん増え、それに伴って全国各地に心強いPerl Mongerが増えている現実もあります。東北勢も来年のYAPC::Asiaを東北でやりたいと名乗り出ました。YAPC::Asiaという名前のイベントや今回のような規模ではないものの、きっと来年も「YAPC::Asia」は行われる、そう信じています。
ひとまず前夜祭を含めて3日間の心地良い疲れを持ち帰って帰宅しましたが、実はさらに次の日に行われたハッカソンにも参加してきました。
というわけで、その後のハッカソンの話と、私のトークにまつわる話へ続きます。
> Pixivでは Nginx+mrubyを精力的に使っているのでしょうか。
pixivではnginx+mrubyの組み合わせは使っていませんが、
nginx+lua(LuaJIT)の組み合わせは使ってます -> http://www.slideshare.net/harukayon/ngx-lua-public
私が開発しているmruby_nginx_moduleやfork元のngx_mrubyも簡単なnginxモジュールを書く分には
わりかし基本的な機能が揃ってきた印象ですが、仮に完全に置き換えるとしたら課題はまだまだ多いですね。