xtetsuji) です。
おがた (@YAPC::Asia Tokyo 2014 のReject con編。概要は目次ブログ記事をどうぞ。
2014年の8月28日(木曜日)から30日(土曜日)までの3日間行われた YAPC::Asia Tokyo 2014 でしたが、今年は応募もさらに盛り上がり、募集トークのうちの約半数がリジェクト(落選)されてしまうという状態でした。競争率が高かったこともありますし、YAPC::Asia Tokyo というイベントがPerl以外の話題にも寛容になったこともあります。
かくいう私も、2012年と2013年に引き続きトークをしようと思って応募したのですが、見事にリジェクトされてしまいました。
しかし!そんなリジェクトされてしまったトークの中から、選りすぐりのものに発表の機会を与えてくれる「YAPC::Asia 2014 Reject con」というイベントが2014年9月3日(水曜日)に行われることになり、なんと私のトークも発表の機会を与えていただけました。
トーク概要については以下の記事がまとまっているので、おすすめです。@hiratara さんの記録能力のすごさには毎回脱帽してしまいます。
会場
会場は、表参道から六本木に移転したばかりの今元気な会社であるフリークアウトさんで行われました。会場を提供してくださったフリークアウト @myfinder さん、そして当イベントを企画してくださった @__papix__ さん、ありがとうございます。
YAPC::Asia Tokyo 2014 Reject con #yapcasia (@ 株式会社フリークアウト (FreakOut) 本社ヒルズ ガレージ) https://t.co/JGR600GG9I pic.twitter.com/cJYxRATPn1
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) September 3, 2014
「ヒルズガレージ」というだけあって、コンクリートがむき出しとなった広い会場が新鮮でした。写真の通り、かなりオシャレな感じです。うらやましい。
そして、会費で振る舞われるビールとピザは、会費以上のボリュームがありました(その他のアルコールやソフトドリンクもありました)。
タイムスケジュール・トーク一覧
Zusaarのイベントページから抜粋。ほぼ時間通りに進行しました。
- 19:45 … 開場
- 20:00 … 挨拶 & 乾杯
- 20:05 〜 20:25 … @ytnobody & @tsucchi 「これはORMですか? いいえOtogiriです」
- 20:25 〜 20:40 … @__papix__ 「帰ってきたPerCUDA 〜PerlとGPGPUが出会い, そして未来へ〜」
- 20:40 〜 21:00 … @punytan 「( ✌’ω’)✌ 楽しいモデル層開発」
- 21:00 〜 21:20 … @xtetsuji 「今に伝えるメールの技術」
- 21:20 〜 21:40 … @saisa6153 「今から始めるレガシーコード改善レポート」
- 21:40 〜 22:00 … LTタイム
- 21:40 〜 21:45 … @mala LT
- 21:45 〜 21:50 … @note103 LT
- 21:50 〜 21:55 … @karupanerura LT
- 21:55 〜 22:00 … @xaicron LT
- 22:00 … Reject con終了 / 会場の片付け / 解散
会場の雰囲気
基本的に、YAPCの理念でもある(?)カジュアルさを意識して、アルコールやピザを飲み食いしながら、トークを聴きたい人は聴けばいいし、その辺にいる人とコミュニケーションしたい人はすればいいという自由な感じでした。
このイベント、エンジニアが壇上でトークをするわけなのですが、最初から缶ビールを開けて「乾杯!」なのです。そういうイベントは探せば無いことは無いのですが、こうやって会場を用意してしっかりした内容のトークをする系のイベントでこのフォーマットはなかなか珍しい。でもこれくらいのカジュアルさがあってもいいですよね。
酒を飲みながら、トークを聴く人は聴く、雑談する人はする、っていう自由度が最高。 #yapcasiareject
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) September 3, 2014
まずはこの Reject con の発起人であり、今年のYAPC::Asia Tokyo 2014 のもう一つの顔になったとも言える「国際的コンテンツ」@__papix__ 氏による挨拶。会場の雰囲気からも何かワクワクするものを感じます。
トーク
会場はひとつでいつも壇上が見えるわけですが、すべてのトークを真剣に聴いていたわけではないです。途中でビールをおかわりに行ったり、知人と雑談したり、自分のトークの準備などをしたりしていました。とはいえ、だいたいのトークは座ってビールを飲みつつも聴いていました。メモをとっていなかっただけ (その点で @hiratara さんはすごいと思います)。
トップバッターは、ORM “Otogiri” の作者である @ytnobody さんと各種DBへの造詣が深くDBD::mysqlのPurePerl実装なども保守する @tsucchi さんのコンビによる「これはORMですか? いいえOtogiriです」というタイトルのお話。
今年のYAPC::Asiaでは、DBIx::Class トークがあったり、そこで Teng が引き合いに出されたり、DBIx::Class 軽くなった、Teng は以前から軽いといった ORM の話題が結構ありました。Otogiri は Teng よりもさらに軽く機能を絞った完全スキーマレスORMです。
20分の発表で、10分を @ytnobody さんが、あとの10分を @tsucchi さんが発表するという斬新なフォーマット。新たなチャレンジです。
コンセプトとしては以前から両人からは色々な話を聴いていて知ってはいたのですが、まとまった話を聴くと理解が深まってよかったです。私はDBについては全く疎いので、勉強がてらOtogiriの中身を読んでみるのも良いかもしれません。
@ytnobody さんの発表風景。
そして @tsucchi さんの発表風景。
その後は、@__papix__ さんによる「帰ってきたPerCUDA 〜PerlとGPGPUが出会い, そして未来へ〜」。学生時代の研究テーマのその後のお話でした。
要はGPGPUをPerlから使うためのお話なのですが、専門性の高いお話で手応えありました。さすが大学院でこういう研究をしている人の足腰は強いなと思わされます。
@__papix__ さんのスライドは、自分自身がコンテンツだからズルい。
その後は21時からの自分の発表のために、資料を整理したり頭の中で時間配分などをしていました。
開始から1時間くらいで、会場の人たちはだいぶ酔っ払ってきています。トークに背を向けて立ち飲み酒場になっているところもあって面白かったです。
自分が発表したトーク
そして21時からの自分のトーク「今に伝えるメールの技術」が始まります。
開始から1時間経過し、酔っている人に声を届けるためには、今までトークした人より大きな声でつかんでいかないとダメだなぁと壇上に立って確信した結果、最初の一言が「みなさ〜ん、飲んでますか〜?」でした。完全に自分も酔っ払いになっている。
私のトークの趣旨や内容については、上記スライドと、感想をまとめた以下のTogetterを見ていただけるといいかと思います。
リジェクトコンという場所も考えて、笑いの要素を入れたほうがいいかな、視覚的にインパクトのあるスライドのほうがいいかな、などと考えてこのような内容となりました。スライドを公開して文字だけにするとコンテキストが読めないものについては、書かずにしゃべりで補ったりしました(ちょっと危険なネタもありました)。あとは酔った勢いでしゃべった感じでしたが、それが謎のグルーブ感を生んで結果的にウケたのかもしれません。ありがたい。
mod_perlトークの前2年も、このメールトークも、結局は廃れかけて忘れかけられた技術のルネッサンス的なものを意識した感じです。特に私は新しいものへのキャッチアップ力が比較的弱いので、そういう方向で活動するしかないというのもあるのですが、廃れはすれど無くなりはしないものの昔の古い知識が更新されないという状況は難儀だなと思っています。なので、あまり世間からは注目されない話でも今風にブラッシュアップした話をしていきたいというわけで、こういう場をいただいてトークをしているのかもしれません。
実はこのトーク、YAPC::Asia でリジェクトされたとはいえ、YAPC::Asia Tokyo 2014 の期間ではまだできておらず「頭の中にはある」という状態でした。YAPCが終わって疲れがどっと出て、「あー、こんなに疲れてこれから資料を作るなんて計画性の無さを露呈するなら、Reject con に応募しないほうがよかったかな」という考えも一瞬頭をよぎったのですが、しっかり自分の言いたいことを頭の中から出してきっちりとスライドにブラッシュアップして、そしてトークをしたあとの思わぬ反響を受け取って、やっぱりやってよかったって思いましたね。YAPC本編でトークするよりも貴重な経験ができたかもしれない。
トーク後に、色々な方から面白かったって言ってもらえて嬉しかったし、Twitterでも現地にいる人から来られなかった人まで反響があって、本当に嬉しいの一言です。YAPC::Asia Tokyoの本編トークではこのグルーブ感は出しづらいと思うし、本当にリジェクトコンで拾っていただいたことに感謝する他ないです。
いまの@xtetsujiさんのメールの話、資料は古文書として保存しておきたい #yapcasiareject
— sironekotoro (@sironekotoro) September 3, 2014
素晴らしいエンタメでした >てつじさんトーク #yapcasiareject
— まっすー。 (@trapple) September 3, 2014
「全てのメールを生まれる前に消し去りたい」by danさん #yapcasiareject
— こばやし 'にらたま' けんいち (@Niratama) September 3, 2014
弾さん、メール消え去れとか言ってたけど、弾さん有料メルマガで稼いでますね
— 虚弱体質 (@moznion) September 3, 2014
@xtetsuji さんのメールの話聴きたかった人生だった
— Hayato ごきげんよう Imai (@hayajo) September 3, 2014
メール滅べとかSMTP滅べとかカジュアルに言ってる人達、深淵を覗いて欲しい
— TSUNEMATSU Shinya (@tnmt) September 4, 2014
今に伝えるメールの技術のスライド、一枚毎にコメント書けるぐらいの共感が在るし今度てつじさんにお会いした時の酒の肴にしたい。 http://t.co/5qbJAYsm6g
— ネコ半径³ (@azumakuniyuki) September 5, 2014
@tsucchi さんと @note103 さんには、ブログでも面白かったと感想を書いてくれました。本当に嬉しいです。ありがとうございます。
- Rejectcon で Otogiri の話をしてきました – tsucchi の日記 2nd season
- Reject Conf に行ってきた #yapcasiareject – the code to rock
LT
当初予定していた @hirobanex さんが出られなくなり、急遽LT枠が設けられました。
@mala さん、@note103 さん、@karupanerura さん、@xaicron さんと、これまた豪華な顔ぶれが集まりました。
恒例の @mala さんのセキュリティを突くトークは軽快でした。本人は有名な撮影NGの人なので、写真は撮っていません。
@note103 さんのトーク「はじまりのPerl」は、本当に5分でトークするのがもったいない内容。経歴も面白いし、職業プログラマーではないPerl学習者としての視点も面白かったです。スライド必見。
@karupanerura さんはジョブキューの話をされたのですが、ライブコーディングがよかったです。アルコールが入った中でのライブコーディングは大変だったと思います。
最後の @xaicron さんは、最近リリースした「ハッカドール」を引っさげて登場。というかPerlの話ほとんどなくて、宣伝とサイリウムを振るために壇上に上がった感じですごかったです。
これでLTは終了。ちょうど予定時間ほぼピッタリに終わり、各自解散となりました。
どうやら二次会も一部であったようでしたが、一緒に建物から出た @tsucchi さんらと「明日も平日だし、発表したから疲れたので、まー帰りましょうか」ということで六本木駅からまっすぐ帰りました。
これで自分の中の広義の YAPC::Asia Tokyo 2014 は終わりました。夏の楽しい夢の様な時間、そして最後に弾けられて本当に楽しかったです。本当にたくさんの人たちに感謝!
楽しかったReject con。酒を飲んで出来上がった状態でトークしたの初めてかも。貴重な経験ありがとうございました! #yapcasiareject
— OGATA Tetsuji (@xtetsuji) September 3, 2014