YAPC::Asia Tokyo 2014 に参加してきました #yapcasia

YAPC::Asia Tokyo 2014 に参加してきました #yapcasia#interest_aeおがた (@xtetsuji) です。

そうです「ブログを書くまでがYAPCです」なのです。少しずつ書いています。

今年2014年も、8月28日木曜日から8月30日までの3日間、日本最大・世界最大級のPerlのお祭りである「YAPC::Asia Tokyo 2014」が行われました。

思ったことを全部書き始めようと思うと書く時間も文章も長くなるので、まず最初はこのサマリー記事を書いたあと、各日程に行われた個々のトークの感想を書いていきたいと思います。これは昨年の自分自身のフォーマットを真似ました。

このブログ記事は上記ブログ記事のまとめ記事でもあり、個々のトークや各種イベント枠以外のところにフォーカスを当てた記事です。あまり他の #yapcasia 関連ブログ記事で取り上げられていない部分かもしれません。

自分のYAPCと今まで

2007年から毎年参加して今年で7年目。「YAPC::Asia Tokyo」という名前では2006年から行われているので、結構な古参なんでしょうか?

2003年からPerlを書いている私ですが、それでも2010年までは怖かったり恥ずかしかったり人見知りだったり、外のコミュニティと積極交流することが無くて、Perlのスキルというのは全然伸びませんでした。業務ではひたすらmod_perlを使っていたので、書籍をむさぼり読んで、その知識だけは伸びたという感じ。YAPCで話題になるその年その年のPerl界隈の流行(PlaggerとかWAFとかMooseとかORMとか)には正直リアルタイムでは全然ついていけていません。

2011年からようやく地域pmに顔を出し始め、YAPCが同窓会のような場所になりはじめました。知っている人が少しいるだけでも、その知っている人から推移律のように顔見知りの人が増えていくという相乗効果。ぼっち参加でこの規模の会場に投げ込まれての交流は、今でこそ工夫されていたりコミュニティの成熟などもあって難易度が低くはなったものの、2010年以前はShibuya.pmがあって…あとは…って感じで、相当切り込んでいくぞっていう意思がないと、コミュニティに入りづらい感じはあったんじゃないかなと思います。少なくとも2010年までの私にその勢いがなかったのは悔やまれます。

2012年と2013年はmod_perlでYAPC::Asia Tokyoの壇上にも上がることができました。スピーカー側になって、さらに違った楽しみ方ができました。今年は残念ながらトークは落選してしまいましたが、それ以外の楽しみ方を満喫できたので結果的に大満足です。

私とYAPC::Asiaという部分の2013年までの時系列の詳細は昨年のエントリを参照ください。また、各項目の振り返りや反省が活かされたかという部分も、昨年のエントリと対比して書いてみました。

2014年も無事にYAPC::Asia Tokyoを楽しめた幸せ

昨年のYAPC::Asia Tokyo 2013での、牧さんと櫛井さんによる運営から手を引く発言。それで2014年のYAPCはどうなるんだという不安がありましたが、2014年に入ってから @yusukebe さんが主催することが発表になり、またあの興奮が味わえるのかという感慨深さがありました。

前夜祭が開催されてから、1日目2日目と、本当に本当に楽しいことばかりでした。これは少しずつ書いていきます。アルコールで記憶が弱った部分もあるけれど、まだ熱気が冷めやらない。

前回からさらに進化したYAPC::Asia

会場は前回と同じ慶応大学日吉キャンパスの協生館でした。

ただ、新たな工夫が前回以上に随所にありました。

まずは @yusukebe さんがYAPC::NAに行って取り入れようと思ったという、数々の無限シリーズ

  • 無限ミネラルウォーター (これは昨年もあったけど、さらに無限度が増していた)
  • 無限コーヒー、そして無限ジュース (これが今回の核となるアイデア)
  • いたるところにあるお菓子 / Sweets at everywhere (Thanks to Booking.com !)
  • 無限かき氷 (DMMはかき氷の会社!)
  • Hub貸し切りと2日間各1000杯無料

無限かき氷、予想外に外が涼しくて捌けるのが大変だったそうだけど、味は美味しくて開催中2つ食べました。

それだけでなく、CONBUを始めとした各ネットワークスポンサーによる快適なWi-Fi。前回はメインホールに人が集中した時に切れることがあったりしたのですが、今回は全く切れることがありませんでした。CONBUスタッフの方のトークによると、なんと上流は10Gbpsだとか。そしてハードウェアは最小限にして大部分のシステムをクラウドに押し込めた作戦には驚嘆。Twitterによる実況だったり、GitHubを参照したり、カンファレンスネットワークの安定供給は年々求められています。そんな中で安定したネットワーク回線を供給してくれた方々には本当に感謝しています

そして海外ゲストによる英語トークの同時通訳。「同時通訳といっても、この場所では相当ニッチな専門用語が飛び交うだろうし、英語力ない自分でもトークとスライドに集中したほうがいいんじゃないかな」という当初の不安を完全に吹き飛ばすほどのクォリティの同時通訳でした。牧さんのツイートによると翻訳スタッフの一人に元プログラマーの方がいて、さらに事前にトークする海外ゲストとの打ち合わせも綿密にしていたらしいです。

無限シリーズともかぶりますが、イベントホールの配置から漂うアツいイベント感。昨年は「聴きたいトークに行けなかったり、聴きたいトークが無ければイベントホールに来ればいいよ」という部分があまり伝わらなかった気がするのですが、今回は大いにイベント感あふれる場所・ちょっとした時間に来たいと思わせる場所になったと思います。主にイベントホールを仕切っていた名司会者 @uzulla さんの功績は誰もが認めるところでしょう。

それにイベントホールといえば、無限シリーズを振る舞ってくれて我々を常に快適にしてくださったスタッフの方々、そして「Acme大全」「雅なPerl」といった名物書籍を物販してくれた @maka2_donzoko さんと @kaz_hiramatsu さんの雰囲気作りによるものも大きいと感じました。オライリーブースもそうですが、いつもは通路にあってなかなか慌ただしいこれらの書籍ブースが落ち着いたイベントホールに移動したのは、イベントホールを彩り豊かにする作戦として成功していたと思います。

ドラクエ的に言えば、イベントホールの前のほうは劇場、イベントホールの後ろのほうはルイーダの酒場みたいになっていた感じ。

イベントホールの後ろのテーブルは円卓で、リアル「円卓会議」も実現されていたようです。

一部ののPerlプログラマーの間で、Plackのような次世代を切り開く第一線のPerlハッカー達のネット上での議論の場のことを尊敬の念を込めて「円卓会議」ということがたまにあるのですが、そんな風景がリアルに実現してしまうのがYAPCのすごいところ。

この記事を書くまで結構なYAPC感想記事を読まさせていただきましたが、こういう当たり前に使っている有名なソフトウェアを作っている人達に会えて感想を伝えられるのもYAPC::Asia Tokyoのスゴいところですよね。

YAPCの醍醐味は交流、そして海外との接点

日本中からPerlプログラマーが集まってくるYAPC、上記や前のエントリでも触れていますが、やっぱり醍醐味は交流なんだろうなと思わされます。

色々な交流があると思います。

  • ネット上や地域pmに行った時に交流がある遠方のPerlプログラマーとの同窓会的な交流
  • 会うことが貴重な海外ゲストとの交流
  • 興味深い発表をしたスピーカーとの交流
  • 業界の著名人との交流
  • ぼっちの人を見つけて交流促進支援

自分自身が2010年までぼっちで、懇親会に来ても会社の後輩と固まって食事をして帰るだけという苦い体験を繰り返してきたので、ぼっちの人やあまり知り合いがいない人を他の人との交流に巻き込むということは昨年から意識して行っていることです。さすがに1000人以上いる参加者全てをフォローすることは無理ですが、自分が無理なくできる一定の成果は上げることができたかなとは思います。

「実際に会ったことがないけどネット上では知っている興味のある人がいる」「このプロダクトを作った人に興味がある」という話を聞いて、その人を見つけて懇親会やHubの場で引き合わせたりといったこともしました。「余計なお世話なんじゃ」ってことが頭をよぎることもありますが、ぼっちを脱して交流ができた人はみんな明るい顔になるのを見ているし、自分が逆の立場、つまり著名な方だと言われて引っ張られたらやっぱり嬉しいですよ。昨年の懇親会で「mod_perlの人来たよー」とか言われた時とか、本当に活動してきてよかったなって思いましたもん。

第一線の人だってそうなんだということは、@miyagawaさんのツイートを見て思いました。

私の実質的な対外活動のスタートが2011年7月のHokkaido.pm#5で、実家も北海道ということもあり、北海道、特に札幌周辺の人達との再会は2011年からのYAPC::Asiaの楽しみでありました。それがHachioji.pmだったりPerlBeginnersだったり、他の地域pmやPerlの勉強会にも参加するようになって、本当に大きな同窓会になりました。ぼっちを脱したいと思っている人は、YAPCよりももっと小さな場所を攻めて、そこから顔を広げるキッカケを作ってYAPCに行くのが絶対におすすめです。

今年度に入ってからは、Perl入学式の運営に近いところで活動をさせてもらったりして、オンライン上でしか知らなかった大阪や福岡のPerl入学式のサポーターの方々とも初対面も果たしました。今回はそういう人との初対面という楽しみもあったのです。

海外ゲストとの交流。昨年は自分の英語力の無さから臆病になって全然できなかったのですが、それを自虐的に表明したら実は海外ゲストは孤立しているし、それはそういう日本の参加者が多いからだと教わり、心を入れ替えました。

どこかのフリーザ様のオマージュではありませんが、私の英語力はTOEIC300点台です(遠い昔ですけれど)。でも、そんなことを理由に海外ゲストから遠ざかっちゃダメなんだ、もっと興味のあることがあれば自分から切り開いていかないとダメなんだと痛感しました。

「日本人は読み書きならできるんだし」とも教わり、じゃぁ筆談だ!ということで今回はペンとノートも持参して活用しました。またGoogle TranslateやiPhoneに入れた英和辞書など、様々なツールを駆使しました。今回はヨーロッパからの参加者が多く、クラシック音楽つながりでヨーロッパが大好きな自分としては、その思いを伝えたいということもありました。

2日目のHubで「I love German! Becuase I like classical music, especially Beethoven and …」といった時にribasushiさんが第5交響曲(運命)の冒頭のフレーズを口ずさんでくれた時には「あー、プログラムもそうだけど、音楽も世界共通語だったわー」ってちょっと目が潤みました。その後「Do you like Bach?」って聞かれて、さらに会話が弾んだり。

1日目のイベントホールで休んでいたらBooking.comのFiona Wangさんと話す機会があったので「オランダに興味があるし、自分が好きなドイツも隣で近いし、行けるものなら行きたいです」といったことを英語で言ったらリクルーティングモードに入ってしまったのですが、そこは私の英語力がもっと上がってからチャレンジしますと答えておきました。

今働いている場所の良し悪しとは関係なく、海外で働くことは桁違いの人生の「体験」になると昨年くらいから思っています。若い頃から英語は嫌いだったし、海外への興味なんて全くなかったのですが、昨年くらいからかなり考えが変わってきています。

今年のキーノートでも「ロールモデル」というものが話題になりましたが、恐れ多くも私はmiyagawaさんのような働き方や生き方に憧れています。miyagawaさんのスキルや知名度というものに到達するのは半ば無理ゲーだし、どちらかというと自分にとってのスキルや知名度は働き方や生き方を実現するための手段なのかなって。でも海外で働くとかそういう部分は貪欲に攻めていってもいいんじゃないか。たとえそれが実現できなかったとしても、そのための努力は決して無駄にはならないでしょう。

物ではなく体験を買えとはよく言ったもので、大きな体験は大きな人生の豊かさをもたらすと思っています。そのためには英語も勉強して好きになるし、手段としてのスキルも身につけていく、そういう攻めのスタイルを加速させたいと思ったのも今回のYAPCでした。

2010年までの反省からも、人との出会いや再会、これほど人生の良い体験は無いとすら思っています。そして新しい出会いから生まれる、さらに新しい体験の数々。そういうことを考えると、どうして20代の頃は対外活動をしなかったんだろうと思うとともに、「なにごとも遅すぎることはない」という言葉を教訓にこれからも頑張りたいです。

Perl入学式 in YAPC::Asia の試み

今年はトークに落選した代わりに「Perl入学式 in YAPC::Asia」のサポーターとして参加しました。この試みは2年目で、昨年は少し見学した程度でしたが、今年はトークを聴講するよりも自らの体験を増やそうと思っていたので、すぐさまサポーターとして名乗り出ました。

当日の準備や2時間30分のサポーターなど結構大変な部分もあったのですが、@__papix__ 校長やイベントスタッフの方々に比べたら大したことはないでしょう。

プログラム言語のカンファレンスともなると、初心者お断りといった雰囲気を漂わせるものもありますが、このPerl入学式の試みは「誰にでも開かれたYAPC」という印象をYAPC::Asiaに根付かせることへ一定の成功を収めていると思います。実際会場でも、職業プログラマー以外の趣味プログラマーや初学者にお会いする機会が結構あり、それがPerl入学式 in YAPC::Asiaがきっかけだったという話を聞くと、サポーターとして参加している自分としても嬉しい気持ちになります。

Perl入学式 in YAPC::Asia の詳細については、2日目の記事に書きたいと思います。

国際的コンテンツ @__papix__ 画像について

今年のYAPC::Asiaの顔は主催者である @yusukebe さんであることに異論はないですが、違う意味での「顔」となったのが @__papix__ 氏。

前夜祭のLTのトップバッターを務め、1日目のLTに登壇し、2日目に「Perl入学式 in YAPC::Asia」の講師を務め、3日間どこかの壇上で話しているという事実。本人が2つ応募した本編トーク両方が落選したものの、結果的には壇上で多くの聴衆の目に触れることになりました。

さらに、彼の画像を使ったスライドのネタが多発するというのが今回のYAPCの特異なところでした。前夜祭では連発され、1日目LTでも登場、そして2日目LTではSawyer X氏までが使いこなすという事態。

これを見た @__papix__ 氏は

といい、その結果に対して @yusukebe さんは

と評論しました。

スタッフとしてスピーカーとして3日間どこかで登壇しつづけていた @uzulla さんのような例もありますが、また別の角度から「今年の顔」となった @__papix__ 氏。まさに「国際コンテンツ」です。

前夜祭から笑わせてもらいつつも、内輪受けだと思われると嫌だなぁと思って、あのコンテキストがわからない方へ簡単な解説を書いておきたいと思います。

大阪での学生時代から @uzulla さんにかわいがられていた @__papix__ 氏でしたが、@uzllla さんは頻繁に彼の写真を撮り、そして @__papix__ 氏の同意を取って「これはフリー素材である」として彼の写真をTumblr PAPICS にコレクションしはじめます。主にHachioji.pm界隈で使われだしたこの使い勝手のよい「画像コンテンツ」は、ついには @yusukebe さんが @__papix__ 氏に依頼をして正式な撮影の場を設けるなどして、 @yusukebe さんや @uzulla さんによる共著にも使われることになり、それによってさらに「画像コンテンツ」として一部界隈で有名になっていきました。

彼の味のある風貌や、ネタとして使い勝手のよいポーズの数々など、その汎用性の高さから、一部界隈で素材として重宝がられ、このYAPC::Asia Tokyo 2014で「爆発」したとも言えます。

@__papix__ 氏自身もフリー素材とは言ってくれてはいますが、今の世の中は肖像権があったりするし、使い方によってはコンテキスト的に誤解を生む場合もあるかもしれないので(そこは結構心配しています)、彼の知らないところでもしあなたがスライド等でPAPICS素材を使う際は、是非 @__papix__ 氏とコンタクトを取ってあげてください。商用利用の場合は交渉必須。

みんなを笑顔にする素敵な写真の数々、ありがとうございます > @__papix__ and @uzulla

YAPC::Asiaのこれから

クロージングで、来年のYAPC::Asiaについてあえてボカした @yusukebe さん。来年もやってくれるという気持ちもあり、万が一やってくれなかったとしても絶対に誰か意思を引き継いでやってくれる人がいると、今はそう感じます。JPA自体が可能な限りのYAPCの運営サポートをしてくれることもあるので、今より小規模になったとしても細々と継続して行われていくことに意義があるんじゃないかとすら思えます。

この辺りは2013年までYAPCを支え続けてきて、今年もサポーターやスピーカーとして多大な功績を残した牧さんのブログエントリが参考になるんじゃないでしょうか。

今までのPerl、これからのPerl

今年はトーク応募時点で全然Perlのトークがないと言われて来ましたが、蓋を開けたら半分はPerlの話だったりPerlと密接な話だったりして、やはりPerlのイベントなんだという印象です。でも、他のプログラム言語だったりインフラといったジャンルに対する垣根を作ったりしない部分も今年は例年以上に際立っていて、そこに対して多少の賛否両論もあったのですが、杞憂だよなぁというのが自分の考えです。

昨年はPerl FUDが吹き荒れた年でしたが、今年は目立ったものがあまりありませんでした。なんとなく「ある程度のスケールまで行くと使うプログラム言語は関係ない」「今のPerlは昔のPerlとは違う」といった認識が広がっているのかなとも思いました。

Perlはこれから爆発的なブームは生まないかもしれませんが、後方互換性を重視した姿勢が再評価されたりする時代が来そうな予感もします。それは、今イケていると言われている言語が後方互換性を気にしない姿勢による「バージョンアップ疲れ」みたいなものから発生するかもしれないし、ISUCONなどでのPerlの速度的実績が取り上げられて再評価ということもあるかもしれない。

また、ここ数年はPerl入学式PerlBeginnersといった初心者向け勉強会が豊富に行われて、他の言語よりも学びの場が多いという初学者からの話も聞いたりします。それになにより、今のPerlのコミュニティは言語コミュニティとして成熟していて、昔より開かれており温かい。そういったコミュニティの数々も評価される時代がくるんじゃないかと思います。

様々な理由や努力があるとは思いますが、どのプログラム言語の国内カンファレンスよりもYAPC::Asiaが大きな規模といったことが、国内でのPerlの活発さを物語っているのではないでしょうか。これからもPerlは他の言語の良いところを吸収しつつ、逆に他のプログラム言語やインフラへPerlの良いところを伝えていく時代がくるんじゃないか、今年のYAPC::Asiaを聴講してそういう期待が一層強まりました。

個別のトークの話をほとんどしませんでしたが、かなり長くなったのでこの辺で終わりにします。

1日目のトークのブログ記事へ続きます。

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