xtetsuji) です。
おがた (@2015年8月20日から22日までの3日間、今年も YAPC::Asia Tokyo 2015 に参加してきました。いわゆる「最後のYAPC」です。
今年もまた「ブログを書くまでがYAPCなのです」は変わらないのです。一気に書こうとすると一つの記事が長くなったり、投稿するまでの時間が長くなったりするので、昨年同様小分けにして書いていきます。このフォーマットは昨年の記事「YAPC::Asia Tokyo 2014 に参加してきました #yapcasia」同様です。
- YAPC::Asia Tokyo 2015 が始まります #yapcasia (予告記事)
- YAPC::Asia Tokyo 2015 に参加してきました #yapcasia (この記事)
- YAPC::Asia Tokyo 2015 前夜祭 #yapcasia
- YAPC::Asia Tokyo 2015 1日目 #yapcasia
- YAPC::Asia Tokyo 2015 2日目 #yapcasia
- YAPC::Asia Tokyo 2015 ハッカソン #yacpasia
- YAPC::Asia Tokyo 2015 リジェクトコン #yapcasia #yapcasiareject
昨年までと同様、トークの内容というよりも場の雰囲気を優先して書いています。
自分のYAPCとのかかわり
「YAPC::Asia Tokyo」というイベントは2006年から毎年行われていますが、私は2007年から毎年参加しています。YAPCは10回目、私は9回目ということですね。歴史を感じる。
とはいえ私は、会社に閉じこもりっきりでコミュニティとの接点をもっていなかった2010年までは、単にトークを聴きに行って懇親会で食事をしてそのまま帰るということを繰り返していました。勇気を出して懇親会で話しかけはするけれど、その場の会話で終わってしまって次に続かない。やはりOSS活動やコミュニティ活動などで事前に交流を温めておいて、YAPCではそこをキッカケに交流を広げていくというのが正攻法でしょう。このあたりの感想は昨年のブログ記事と同様ですね。
前回との比較
無限シリーズは健在。とはいえ、ラインナップは減った印象があります。
- 無限ミネラルウォーター → 今回は有限でした=閉幕を前に無くなった
- 無限コーヒー、無限ジュース → 無限でした
- 2日目のトラックEでは無限弁当というものが生まれたりも
今年は結構暑かったので、かき氷があってよかったかも!
昨年までの良かったものの継承もされています。
- CONBU @conbu_net による快適な Wi-Fi
- 高品質な同時通訳(しかもほぼすべての英語トークに対象が拡大)
- 「Acme大全」「雅なPerl」の即売(東京ビッグサイトだけある)
- スタッフによるサポート
昨年からの改善点も見られます。
- 部屋が広くなったのと、同時並行トラック数が増えて人が分散するようになった(それでも人が多かったのは仕方がない)
これは悪くなったとか、これは依然として悪いという部分は思いつきません。
人と人との交流というお話
色々な人が「YAPCは同窓会」と言うほど、ネット上や地域pmなどで交流の会った人達と一同に会する場所としてのYAPCの役割は大きいと思います。
先ほどの私の2010年までの状態もそうですが、やはりより小さな場で交流がないとYAPCでの交流はなかなか難しいと思います。
そういう意味では、今年はYAPC自体としても「ぼっち対策」に関する企画が無くなったり、自分自身もぼっちな人を探してフォローするということをしなかったのは、後で振り返って印象的なことでした。私の周囲に関しては、来ている人は既にぼっちから脱した人しかおらず、もう私が手を貸さなくてもよくなったということもあります。
昨年ほど海外ゲストとの交流も頑張らなくなりました。軽く会話をしたりしましたが、今回は特にこの人と交流せねばという人はいなかったというのもあるかも(Larry Wall 氏には一昨年写真を撮ってもらっている)。英語はできるに越したことはないのですが、肩の力を抜くことも大切かなと思います。
その代わり、全国各地から集まったらプログラマー仲間との交流には時間を割きました。むしろ2日目はほとんどトークを聴いていなかったくらい。これもまたYAPCの楽しみ方なのだと思います。
YAPCとPerlの未来
今回は2000人以上が訪れたそうで、それだけの人がいれば今回の YAPC::Asia Tokyo 2015 が最後の YAPC::Asia になるということに関して、十人十色な考え方を持っているはずです。その中には問題意識であったり悲観的な見方もあるでしょう。ただ、私はとても明るい未来を見ています。そのことについて今はうまく文章で説明ができないので、ぜひ私と飲み会をしたときにお話しましょう。
Perl に関しても同様です。一時代を築いたエッジな Perl エンジニアがこぞって別分野に移動してしまった(ように見える)ことを悲観視する向きもありますが、業界の新陳代謝であったり良い側面も結構あるものです。変化を良い方向に捉え、自分にできることを一つずつやっていくことが大事なのではないでしょうか。私は今 Perl が面白いと感じて Perl をもっと深堀りしたい人の一人です。
ITエンジニアは無数の技術を日々習得し続けなければならないという言説も、なんだか大変そうだという小学生並みの感想しか浮かばないのが意識の低い私です。特定の事柄をひたすら深堀りしたいという志向は、私がどちらかと言うと会社員より学者向きだということの現れなのかもしれません。
Larry Wall 氏による Perl 6 トークがありましたが、今回のYAPCで「Perl 6 意外にイケる?」という雰囲気が出てきたように思えます。正式リリース間近、言語構文や機能が魅力的、雅なPerlでも解説が追加、新しいプログラミング言語の登場に寛容になっている界隈…といった流れは Perl 6 への追い風のようにも感じます。
それ以外にも Recardo SIGNES 氏による Perl 5.22 – 5.24 の話など、Perl 5 開発の活発さも感じることができました。
世間では色々な事実をもって「Perl は下火」と言いたい人があふれているわけですが、他の言語も多かれ少なかれ当てはまることも多い気がします。そうであれば、自分が好きなプログラミング言語を楽しまないのは損なわけで、ならば私は Perl を楽しもうと思うわけです。
YAPC::Asia Tokyo 終了で象徴的なコミュニティの消失ということを憂慮する人もいるかもしれませんが、私はこの部分も明るい未来を描いています。これに関してはまずガイアックスやモバイルファクトリーなどの「五反田企業」が先陣を切って面白いことを続々と立ち上げていくことでしょう。詳しく言えない部分もありますが、Perl入学式などもこれから加速していく予定です。ご期待ください。もしくは力を貸していただいて一緒に盛り上げていきましょう。
0日目とも言われる前夜祭のブログ記事に続きます。