月別アーカイブ: 2012年3月

Hachioji.pm#15 に参加してきました #hachiojipm

こんにちは、最近は積極的に勉強会の類に参加してみようとしている おがた (@xtetsuji)です。

いつもブログが遅筆ですみません。記事を書いている段階では一週間前の2012年3月24日に行われた「Hachioji.pm#15」に参加させていただきました。私は中野区在住で八王子駅まで片道1時間弱。移動の負担は首都圏的感覚だとそれほどでもなかったです。

東京在住なのに、地元が北海道という縁でHokkaido.pmには2回参加+トーク発表をしたものの、今回初めて関東圏の地方.pmに参加させていただきました。まぁ、YAPC::Asia Tokyoは2007年から行っていますが、地方.pmのような大規模でないイベントのほうが各人の交流がしやすくていいなとは、Hokkaido.pmの参加のときから思っていました。その思いを膨らませて、今回Hachioji.pmに思い切って初参加した次第です。

このイベントの前の朝から夕方までに行われていた「Like a ハッカソン」は参加してみたかったものの、あまり体調が良くなくて長く作業すると疲れが出て後日に響いてしまうコンディションだったため、興味はあったのですが今回の参加は遠慮させていただきました。

参加前に参加要件を見ていたのですが、「一枚LT」とか聞いたこともないものが要件にあったりして、検索してみたら「模造紙でプレゼン」とか出てきたりして、文房具店に行く時間も無いし一枚に自己紹介と課題である「スマートフォン」の話をどう書けばいいんだろうとか、いろいろ考えてしまって結局準備をせずに向かったのですが、模造紙云々はどなたかのネタらしく、みなさん普通にプレゼンテーションアプリケーションを使った数枚のスライドのプレゼンテーションをされていました。

「Like a ハッカソン」とは違い、本イベントである「Hachioji.pm#15」自体は、どちらかというと飲食店に集まって飲み食いしながら技術のお話をするというのがメインのようで、お酒が入った状態でざっくばらんに最近の技術動向について情報交換ができる、気軽な場所でした。

「Like a ハッカソン」を含めた「Hachioji.pm#15」の詳細は、Hachioji.pmのブログ記事やそこからリンクされたページを参照していただけると、私の記事より良いものがあります。

個人的にざっくばらんな会話で感じたのは、一人でネット上の情報を見ていても「流行り」はたくさん流れてくるけど、「廃り」といったことは実際に対面でお話をして動向のお話をしないと見えてこないということでした。確かにネットで「廃り」を宣言したりすると、その作者やそれの愛用者の目にとまったときにdisられたとか反感を買うので書きづらい部分はあるんだと思います。今回も「jQuery UIはダメだね」とか、それぞれの方々の思う「廃り」の印象のお話が聞けて面白かったです。

初参加で一人八王子までやってきて、会場のペルー料理店MISKYに「こんばんは〜」と入ってきたのですが、ネット上で存じていた方や、YAPC::Asia Tokyoでお会いした方(@ytnobodyさんとか)もいらっしゃって、向こうはこちらの顔なんて覚えていないだろうなと思いつつも、空気を読まず「いやー、お久しぶりです」とか言って場に馴染もうとしてみました。

初参加なのに30分くらい遅刻をしでかした私でしたが、その後に遅れて@maka2_donzoko さんがやってきて、課題の「スマートフォン」に引っ掛けて「すあま」と「本」を持ってきました (参考: ご自身によるブログ記事)。すあま、あまり馴染みのないお菓子でしたが、かなり美味しかったです。自分好み。

すあま

いただいた すあま の写真。美味。

「まかまかさん」こと@maka2_donzoko さんは、PerlのAcmeモジュール同人誌「Acme大全」やPerlモジュールを題材にしたカードゲーム「Parumon」の作者でもあります。YAPC::Asia Tokyo 2011で「Acme大全」は購入できたのですが、売り切れで入手できなかった「Parumon」を、なんとこの場で売ってくださいました!ありがとうございます、まかまかさん!

Parumon

「Parumon」は、Hokkaido.pmの何名かが購入をして、プレイ風景をリアルやネットで見たりしていたのを指をくわえて羨ましがっていた状態だったので、非常に嬉しかったです。会社でもちょうど3月に開発者が一名入社してPerlの勉強をしてもらっているところなので、教材としても使っていきたいです。

飲み食いが一段落したところで、皆さんの「1枚LT」が開始されることになりました。詳しくは上述のリンクに譲りますが、みなさんタイトルの「1枚」とかお題の「スマートフォン」に縛られないLTを繰り広げられて、これでいいんだって感じました。皆さんのお話はどれも興味深いものばかりでした。

Hachioji.pm#15の開催者である@uzullaさんがとても精力的な方で、そこから繰り広げられる話の数々を拾うだけで、とても有意義でした。PHPerを何度も自称しながら、それなのにPerlイベントを主催しているとか、ジョークも数々。楽しかったです。

本当にいろいろな話題が出て、すべてを拾いきるのも、ここで思い出して書くのもなかなか大変なのですが、スマートフォン向けのjQuery互換軽量JavaScriptモジュールzepto.jsは本当に名前も知らなかったので、jQueryで作ったスマートフォン向けサイトをzepto.jsで置き換えできないか、考えてはじめています。また、スマートフォン開発に詳しい方が数名いて、Androidアプリ内課金の大変さを説いていたのも印象的でした。私も最近Android アプリ内課金案件を抱えていたので、もっと詳細を聞いておけばよかった、とも後で思ったのでした。

その他は、上述のHachioji.pm自身による記事からたどっていただけると、興味深い話題が多かったことがわかると思います。

「Like a ハッカソン」もそうですが、予定や体調が許す範囲で、次回以降の「Hachioji.pm」にもぜひ参加してみたいと考えています。まだまだ新参者感が抜けない私ですが、Hachioji.pmの皆さん、今後ともよろしくお願いします。

第5回 Twitter API勉強会に参加+発表してきました #twtr_hack

こんにちは、「最近の主戦場はどこ?」と聞かれたら「Twitter」と答えるでしょう、 おがた (@xtetsuji) です。

先日、3月21日になりますが、「第5回 Twitter API勉強会」に行ってきました。前回「第4回」から二度目の参加になります。

公式サイトは無いようですが、情報をTogetterにまとめてくださった方がいらっしゃいましたので、タイムテーブルやスライド資料などはコチラからご参照ください。

前回の私の感想ブログの締めくくりで「機会があればPerlのTwitterライブラリについて発表してみようかなと思いました。」と書いたのですが、今回のタイムテーブルの10分LTに自分のアカウント名が登録されているではありませんか。「いつか発表したい」→「次回発表する」の流れにちょっとビックリ。

[tweet https://twitter.com/xtetsuji/statuses/172637481408282625]

そういえば前回「第4回」で、こんなやり取りがあったのでした。まさか本当に「第5回」で発表になるとは…。

「Twitter API勉強会」は月1回の活発な勉強会で、準備期間は1ヶ月もありません。まぁ、結局スライドは前日の深夜に徹夜気味に作ったのですが…。当日いらっしゃった方々、内容もさることながら、発表がグダってしまって本当に申し訳ありません。練習不足でした。スライドの内容の補足等については後述します。

前回の会場は御茶ノ水のデジタルハリウッドさんでしたが、今回は渋谷の「ハロー会議室」というところでした。

ハロー会議室

広々とした会議室でしたが、私はちょっと遅刻してしまったので、最初は後ろのほうに座って聴講していました。その後、トークの隙を狙って前の方に進出していきましたが…。

Twitterの日本語検索、ハッシュタグについて

最初のトークは、急遽タイムテーブルが変更になって、Twitterの国際化等に携わっている@keita_fさんによる「Twitterの日本語検索、ハッシュタグについて」。

資料も公開されていない半分オフレコっぽいトークだったので、どこまで感想を述べていいかちょっと分からないのですが、浅い範囲で手元のメモに書かれている興味深かった項目としては

  • Lucenceを使っている
  • Twitterは50もの言語をサポート
  • ツイートの言語判定はJavaで実装。UTF-8文字列を各種ローカル文字コードにエンコードしてみて失敗するかどうかでチェック(結構コストがかかりそうなトライアンドエラーで検出するとは意外でした)。西欧の文字列はn-gramでチェック。
  • 2つ以上の言語が混じっている場合の苦労
  • 絵文字(emoticon)の取り扱い
  • Unicode Alphabetの取り扱い
  • 形態素解析にはGomoku、西欧の文字列は独自実装。
  • テキスト処理のオープンソース化を https://github.com/twitter/commons/ 以下にしていっている

といったところでした。

@keita_fさんは、あのティコリンク(t.co短縮URL)の実装にも関わっている人らしく、どちらかというとそちらの方で色々と質問したかったのですが、時間が無かったのと懇親会にいらっしゃらなかったので、そちらについてはほとんど話を聞けませんでした。

声をかけて一つお話をしたのは「ティコリンクの識別子(スラッシュの後の文字数)は8文字ですが、Twitterには日々膨大なURLが投稿されているので、あれが9文字になる日は来るんですか?」というつまらない(?)質問をしてしまった(とっさに思いついたのがそれだった)のですが「じきにそうなる日も来るでしょう」という回答でした。実際、Twitter APIからはティコリンクを展開したURLの情報も乗ってくるので、そちらを見れば各種実装が8文字を想定する必要すらないので、他愛も無い質問だったなぁと思います。

交流タイム

最初のトークが終わった後は、恒例の交流タイム。今回は学生さんの参加が少なかったようですが、周囲の社会人の方とどんなお仕事をされているのかとか、どういった興味でここに来たのかといった話で盛り上がりました。ここで後ろの席から前の席へ移動。

ランチタイム共有サービス「昼会」のご紹介

次のトークは@setomitsさんによる「昼会」のご紹介。デジタルガレージの中の方です。

なぜTwitterかという話から。最初は(デジタルガレージが業務提携を結んでいた)LinkedInのOAuthを使ったログインを検討していたらしいです。ビジネスランチ的な何か?そこは普及度を考えてTwitter OAuthに変更したとのこと。

開発は、Google App Engine(GAE)上でTweepyというAPIを使って開発しているとのこと。Pythonですね。

ユーザへの通知に自分へのDMを使用しているとのことですが、ユーザから「自分から自分にDMが来るのは気持ち悪い」「スパムかと思った」「アカウントを乗っ取られたかと思った」といった意見があったとのこと。でも開発者に話をすれば実装上「まぁこうするだろうね」といった感じで折り合いが着いた(?)ような感じです。Zusaarでも登録ユーザへの連絡はユーザ自身へのDM(ひとりごとみたいな感じ)で実現していますし、同種の考えのサービスは多いようです。

既存のサイトのOAuthの利用について、いちいち新しくユーザー登録をしなくて良いのは良いとのこと。

トラブルもあって、ログイン出来ないということはサービス開始前やサービス開始直後に頻発していた模様。原因追及できず、一切のAPIコールができない状態が続いたようです。

昼会の開発から8ヶ月、色々な発見があったようです。昼会というサービス自体で新しい出会いがあったこともあるようですが、昼会の敷居が意外に高いこともあったとか。確かにサイトを見ても中々昼会の予定が入っていない。質疑応答で「夜会もやったほうが…」というジョーク質問がありましたが「ドメインhirukai.jp取ってしまいましたし…」とのことでした。

昼会の開発体制は最初3人。開発1人、デザイナ1人、企画交渉1人。最小編成ですね。

質問はGAEコストにも波及して、改定前は数千円/月だったのが改定後に数万円/月になってヤバいと思い、APIのコール周り等のコストを見なおして、改定前くらいの価格まで押さえ込めたとのこと。GAEのコスト改定はニュースにもなっていましたが、桁が違ってくるほどの値上げだったんだなと思いました。

この後はLT。

Twitter 4 contact

@inda_re さんの「Twitter 4 contact」。問い合わせフォームをTwitterで作ってしまおうという発想は面白かったです。資料もPHPで作られたプログラムも公開されているので、導入しようと思えばすぐにでも導入できそうです。発想の面白さと、LTならではのウケ狙いの上手さに感服です。

PerlのTwitterモジュールについて

これは@xtetsuji によるトーク。5分や20分の経験はあったのですが、10分LTというのは初めてで、どれくらいの分量でトークしていいか分からないまま、練習不足というかほとんど練習をせずにのぞんでしまったために、非常にグダってしまい申し訳ありませんでした。

前回、学生さんが多かった事を念頭に置いて「半分くらいはPerl自体の環境導入をやったほうがいいのでは」と思って資料を作ったのですが、今回はほとんど学生さんがいない(居たとしても既にスキルある方ばかりな)状況だったので、ちょっと構成に失敗したかなぁ、といったところです。

結局のところ、PerlにもStreaming APIをいじれるAnyEvent::Twitter::Streamというモジュールがあって、手軽にプログラムが書けるんだよといったところが伝わればよかったかなと思います。

以下、資料です。

デモプログラムで登場した twitter-stream-search.pl は、自分自身がテレビ番組(アニメとか)の実況をコンソールで tail -f のように流し見しつつ、あとで録画したものを観るときにそのストリームの詳細がログの様になっていて欲しい、と思い立って30分くらいで書いたプログラムです。今も便利に普段使いしています。仕事のプログラムは書くのに何時間も掛かるのに、人は私利私欲があればものすごい速度でプログラムが書けるんだと思った瞬間でした。AnyEvent::Twitter::Streamの導入さえ成功してしまえば、後は比較的簡単に使い始められるのも特長としています。

ここからは発表から蛇足になりますが、AnyEvent::Twitter::Streamも万能ではないようで、まだできないこともあります。最近Streaming APIで開始されたgzip圧縮にも対応していないようです。あと、上流でHTTPストリームが切られた場合の再接続アルゴリズムも実装されていないようです(Squid経由で接続してSquidを再起動させれば簡単に再現できる)。前回の勉強会の時にJava Hackerに囲まれて話をしたときに「TwitterのStreaming APIを正確に実装しているのはTwitter4Jしかない」という話がありましたが、まさにそういうことなのかもしれません。Twitter4Jの作者であり、このTwitter API勉強会の主催者である@yusukeyさんに、懇親会でその辺のお話をうかがってみると、再接続アルゴリズムは実装も確認も大変とのこと。Perlに貢献するべく、AnyEvent::Twitter::Streamにパッチでも当ててみようかとも思ったのですが、作者がPerl界の大御所過ぎて、どうしていいかちょっと悩みますね。でしゃばり過ぎとか言われそう。

twitter-stream-search.pl は Date::Format と Date::Parse に依存していますが、Perl-5.10以上を最初から要求しているのだから、Perl-5.10からコアモジュール入りしたTime::Pieceを使えば不要な依存関係を減らせると後で思ったのでした。これは気が向いたら直します。Date::Format も Date::Parse も cpanm で簡単に導入できるので、それほど深刻な問題ではないと思いますけどね。

KotlinでもTwitter4J

@ngsw_taro さんによるトーク。KotlinというJavaベース(?)のプログラム言語があるようですね。そのKotlinからTwitter4Jを使おうというトーク。結局デモは失敗してしまいましたが、後日Kotlinから投稿したツイートがあったので、それでデモが成功(?)ということになった感じでしょうか。

LT中に紹介された、お手軽開発環境 http://kotlin-demo.jetbrains.com/

Java界隈にはGroovyとかJRubyとか、その上に乗る言語がたくさんあって面白いですよね。Twitterの勉強会なのに、Javaを見直すきっかけが多い勉強会でもあります。

懇親会

渋谷の外を移動して、今回も貸しスペースでのオシャレな場所で懇親会がありました。

(写真撮ってくるの忘れた…)

今回初めて出席された方と色々な話で盛り上がったり、前回トークをした方へ質問をしてみたり、有意義な時間が過ごせました。勉強会中だとなかなか質問したり交流したりといったことが苦手な日本人でも、酒が入るとその辺結構いけるものなんですね。酒が入った後にコードを書いたりできるかどうかは別として、初顔合わせや顔見知りの人と雑談する上で、お酒と貸切の静かな(勉強会関係者以外がいない)場所はうってつけの場所でした。

今回は発表者側に立ったこともあって、声をかけて下さる方もいて、発表者効果さまさまだなと思った次第です。用意は大変ですが、発表者として壇上に立つと、私のような知らない人に声をかけるのが苦手な人も話しに花が咲いて、非常に良い経験でした。

月1回の勉強会に、資料の用意がなかなか大変なこともあって、しばらくは発表者側にはまわらないとは思いますが、次回発表する際には低層の話ではなく、PerlとそのTwitterモジュールを使って書いた何らかのウェブサービスを紹介できればと思いました。体調が許せば、次回も聴講者として懇親会も含めて参加したいです。

NMLノート 2012年2月版

聴く専門の平凡なクラシック音楽ファンの おがた です。

「NMLって何?」というのは「NMLノート 2012年1月版」を参照ください。

先月(2012年2月)はあまりNML聴けなかったなぁ。まぁ2枚聴けば元が取れる計算でいけば、元は十分に取っているわけなんですけど。

モーツァルト:交響曲全集(モーツァルト・アカデミー・アムステルダム/リンデン)

http://ml.naxos.jp/album/BC94295 (2012/02/03鑑賞)

NML-BC94295

全曲集。モーツァルトの交響曲なら他の廉価版の全曲集も持っているけど、その廉価版に入っていない聴いたこともない曲もいくつか含まれていてなかなかよい。音質も良い。レビューによると古楽器による演奏らしく、そこもまた高ポイント。

また有名な大ト短調交響曲「交響曲第40番」の版をクラリネットあり・なしの2版収録しているのも面白い。

何しろ曲数が膨大なので全部聴くまでには至っていないものの、時々流し聴きしておきたい名盤です。

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲全集(エル・バシャ/ベルギー王立モネ歌劇場管/大野和士)

http://ml.naxos.jp/album/fug505 (2012/02/12鑑賞)

NML-fug505

プロコフィエフのピアノ協奏曲全曲を聴きたいなぁと思って全集を検索。大野和士指揮というところに興味があってチョイス。先程もそうだけど、全集も数々揃えているNMLは素晴らしい。CDを買っていた時代も、やっぱり同じ演奏者で全部聴いてみたいという欲求が後で出てくるのであれば、最初から全集をチョイスするということをよくやっていました。廉価なものも探せば結構あって、それほど高くなく全集も手に入るし。一枚あたりに換算して数百円とかそんな感じの相場。ただ、リッピングは相当大変だけど。

ちなみにプロコフィエフのピアノ協奏曲は第3番が一番好きです。あのジャズっぽくもありクラシックっぽくもあるはじけ方が好き。逆に第1番はチャイコフスキーの同じピアノ協奏曲第1番にモロに影響を受けているなぁと感じる私です。それもまた悪くない。

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」, 第5番

http://ml.naxos.jp/album/7190 (2012/02/13鑑賞)

NML-7190

古典派やその周辺(バロックやロマン派)の管弦楽が好きな自分が、近代や国民楽派に入っていく入口のような管弦楽がいくつかあって、プロコフィエフの「古典交響曲」もその一つ。

当時の最先端の(今でいう「近代」の)先鋒で人気もあったプロコフィエフが、聴衆に示した最初の交響曲は、表向き古典派の交響曲のような簡素なもので、良くも悪くも当時の聴衆の期待を裏切りました。その裏には、当時古典派の作曲家ハイドンを研究していたプロコフィエフの実験「もしハイドンが今生きていたらこんな交響曲を書いただろう」というものでした。

「近代」を聴くと、この「古典交響曲」を聴いてみたくなる。そして古典派の色に安心しつつも、その中に巧妙に入れられた「近代」のエッセンスをなるべく汲みとって聴くようにしていると、近代色を自分の中で楽しめるようにモードが切り替わるんです。

そういう私にとっての「近代への入口」の音楽には、この「古典交響曲」とは別に、マーラーの「交響曲第5番」もそうだったりします。ロマン派の真っ只中、または古典派のような曲を巧妙に展開をしつつも、しっかり「近代」の交響曲を聴かせてくる。この時期のマーラーもバッハを研究していた産物としてこの交響曲を作った(あと第4楽章のアダージェットは妻アルマへの美しいラブレターですね)というのも、プロコフィエフの「古典交響曲」と似ている部分があると思います。

なんだか、プロコフィエフの交響曲第1番の話をしていたのが、マーラーの交響曲第5番の話をしてしまっている。マーラーの交響曲第5番もNMLで名演や興味深い演奏を探してみることにしましょうかね。

iTunesからダウンロード

ヴィヴァルディ/テレマン/クラーク/L. モーツァルト:トランペット協奏曲集(アンドレ/北ドイツ放送室内管/エトヴェシュ)

NML-MCS-ED-9059

http://ml.naxos.jp/album/MCS-ED-9059 (2012/02/28鑑賞)

「トランペット協奏曲」って、協奏曲の中ではかなりマイナーなジャンルだと思うんですけど、私は結構好きなんですよ、そういうマイナーなの。協奏曲といえば「ピアノ」「ヴァイオリン」が二大巨頭なわけですけど、個人的には管楽器の協奏曲が好きです。トランペットもそうですが、クラリネットとかオーボエとか。そういうマイナーな協奏曲を聴けるのも、NAXOSならでは、NMLならでは、です。

自分が古典派ひいきだからかもしれませんが、「トランペット協奏曲」の鉄板は、やはりハイドンとフンメルのトランペット協奏曲でしょうか。エステルハージコンビ(笑)。2曲とも、聴いていると熱くなってくる。

それら2名のトランペット協奏曲は入っていませんが、バロックから古典派までのトランペット協奏曲を集めたのがこの盤。心地良いトランペットの音色に酔いしれることができました。

iTunesからダウンロード

(番外編) ベルワルド:交響曲第1番「厳粛な」, 第2番「気まぐれな」 (ヘルシンボリ響/オッコ・カム)/ ベルワルド:交響曲第3番「風変わりな」, 第4番「繊細な」/ピアノ協奏曲(ヘルシンボリ響/オッコ・カム)

http://ml.naxos.jp/album/8.553051http://ml.naxos.jp/album/8.553052

NML-8.553051 NML-8.553052

「番外編」と書いてみましたが、これらはNAXOSのアルバムですが、これはNMLで聴いたというよりも、ずいぶん昔に実物のCDを買って持っているものです。リッピングしておいたものを改めて2月にヘビロテしていたという感じ。

NMLは本当に素晴らしいサービスなのですが、鑑賞には通信が必要なこと、特に移動中は通信が途切れやすかったりiPhoneの電源が消耗したりといった移動中の通信をすることによるデメリット等もあって、NMLに契約していてもヘビロテするCDは実際に買う(そしてリッピングする)というのが正しいやり方なのかなと思っています。

このベルワルドという作曲家。生前はほとんど報われない作曲家だったようです。特に自国であるスウェーデンで。時代としては、古典派とロマン派の中間あたりに位置する作曲家でしたが、やはり独特の音階進行が当時の素朴な曲を聴き慣れた聴衆に理解されなかったのでしょうか。現代の我々はそれこそ不協和音の塊の音楽を聴き慣れているので、彼の曲を聴いてもその曲想は、古典派のエッセンスにどことなく現代風の味付けをした新鮮なもの、という印象を受けます。

特に聴き応えがあるのが「風変りな」と題された第3番。何かロマン派の時代の先を行くような不思議な響きがあります。本当は古典派・ロマン派時代の作曲家のはずなのに、私のプレイリストには間違って「近代」どころか「現代」に分類されていました。クラシック音楽の「現代音楽」の中でも、無調音楽や12音音階といった不協和音の塊の前衛音楽に半期を翻した「新古典派」や、近代から現代にかけて新しく生まれた機会音楽のジャンル「映画音楽」に近い響きを醸し出しています。

ベルワルドが残した交響曲はこの4曲のみのようですが、今後他のベルワルド作品も聴いてみたいと、4曲の交響曲をヘビロテしながら思いました。またNMLが役に立ってくれそうです。

CD帯紹介文より:結果的にはスウェーデンが生んだ最大の作曲家であったベルワルドは、生前自国ではほとんど評価されずに終わった人物です。作風は立派なドイツロマン派で、少し古典的なシューマンといったところでしょうか。国民楽派確立前の人物なので、いわゆる北欧風の香りは希薄ですが、実に壮大で堂々たる交響曲を4曲残しました。尚、ここに収められている交響曲第2番は、総譜の紛失により本当の第2番なのか疑問視されている“真作”です。

CD帯紹介文より:第3交響曲はベルワルドの最高傑作と言われています。激烈な第3楽章も相当なものですが、何と言っても第1楽章!非常に独特な和声進行が不思議な近代性と大らかな情感を生み出しており、ベルワルドの個性を十二分に堪能することができます。ただ、2年後に作られた第4番は、第3番よりぐっと古典的な肌ざわりとなっています。ピアノ協奏曲は死後に匿名で作曲コンクールに出されて好評を博したものの、ベルワルド作と判明するやいなや無視されお蔵入りした悲運の曲です。

…と今月聴いた中で記録と記憶に残ったのはこのようなものでした。マニアックなものが多いですが(というかNMLとNAXOSはマニア志向ですが)、興味が湧いたものがありましたら、一緒に語りにつきあっていただけると私が嬉しいです。

NMLの月額費用の元を取ろうというわけではないですが、好きな曲から苦手な曲まで、もっとたくさん幅広く聴いて、クラシック音楽ファンとしての知識の幅を広げたいなと思う次第です。