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京都で敬愛しているピアニストと飲んで語った話

おがた (@xtetsuji) です。

前のブログ記事の続きっぽい、京都に行った大きな目的第二弾。

この話、地元に帰ったら絶対色々な人に聞かれることになるので、差し支えない共通部分は書いてしまおう、というやつです。

注意点として、当事者を知らない人は細部は分からないと思うので、「それでも @xtetsuji の文章が大好き!」という人向け。あと、今回の京都の話だけでなく、それに関連した色々な個人的思索が随所に入っています。そこのところ不要な方は適当に読み流してください。読むとしても長文ですので流し読み推奨です。

ご紹介:仁藤麻衣にとうまい)さんは、北海道出身で京都在住のピアニスト。帯広の高校を卒業して札幌の大学に進学したあと、音楽教師として富良野の高校に赴任するも、結婚などを機に京都へ拠点を移す。大学卒業後から休止していた演奏活動を10年ぶりに再開。今は京都太秦(うずまさ)の古心庵(ここあん)で「朝クラ」という早朝ピアノ演奏会を主な活動の舞台としている。私おがたとは、中学時代の同級生だけど約20年会っていなかった。中学時代の同級生達からは「仁藤」と呼ばれているが、私は「仁藤さん」と呼んでいる。また、古心庵の常連さん方からは「麻衣さん」と呼ばれ親しまれている。

上記はブログや紙面などの公開情報より。このブログ記事全体も、差し支えない公開できる範囲で書いています。

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NMLノート 2012年2月版

聴く専門の平凡なクラシック音楽ファンの おがた です。

「NMLって何?」というのは「NMLノート 2012年1月版」を参照ください。

先月(2012年2月)はあまりNML聴けなかったなぁ。まぁ2枚聴けば元が取れる計算でいけば、元は十分に取っているわけなんですけど。

モーツァルト:交響曲全集(モーツァルト・アカデミー・アムステルダム/リンデン)

http://ml.naxos.jp/album/BC94295 (2012/02/03鑑賞)

NML-BC94295

全曲集。モーツァルトの交響曲なら他の廉価版の全曲集も持っているけど、その廉価版に入っていない聴いたこともない曲もいくつか含まれていてなかなかよい。音質も良い。レビューによると古楽器による演奏らしく、そこもまた高ポイント。

また有名な大ト短調交響曲「交響曲第40番」の版をクラリネットあり・なしの2版収録しているのも面白い。

何しろ曲数が膨大なので全部聴くまでには至っていないものの、時々流し聴きしておきたい名盤です。

プロコフィエフ:ピアノ協奏曲全集(エル・バシャ/ベルギー王立モネ歌劇場管/大野和士)

http://ml.naxos.jp/album/fug505 (2012/02/12鑑賞)

NML-fug505

プロコフィエフのピアノ協奏曲全曲を聴きたいなぁと思って全集を検索。大野和士指揮というところに興味があってチョイス。先程もそうだけど、全集も数々揃えているNMLは素晴らしい。CDを買っていた時代も、やっぱり同じ演奏者で全部聴いてみたいという欲求が後で出てくるのであれば、最初から全集をチョイスするということをよくやっていました。廉価なものも探せば結構あって、それほど高くなく全集も手に入るし。一枚あたりに換算して数百円とかそんな感じの相場。ただ、リッピングは相当大変だけど。

ちなみにプロコフィエフのピアノ協奏曲は第3番が一番好きです。あのジャズっぽくもありクラシックっぽくもあるはじけ方が好き。逆に第1番はチャイコフスキーの同じピアノ協奏曲第1番にモロに影響を受けているなぁと感じる私です。それもまた悪くない。

プロコフィエフ:交響曲第1番「古典交響曲」, 第5番

http://ml.naxos.jp/album/7190 (2012/02/13鑑賞)

NML-7190

古典派やその周辺(バロックやロマン派)の管弦楽が好きな自分が、近代や国民楽派に入っていく入口のような管弦楽がいくつかあって、プロコフィエフの「古典交響曲」もその一つ。

当時の最先端の(今でいう「近代」の)先鋒で人気もあったプロコフィエフが、聴衆に示した最初の交響曲は、表向き古典派の交響曲のような簡素なもので、良くも悪くも当時の聴衆の期待を裏切りました。その裏には、当時古典派の作曲家ハイドンを研究していたプロコフィエフの実験「もしハイドンが今生きていたらこんな交響曲を書いただろう」というものでした。

「近代」を聴くと、この「古典交響曲」を聴いてみたくなる。そして古典派の色に安心しつつも、その中に巧妙に入れられた「近代」のエッセンスをなるべく汲みとって聴くようにしていると、近代色を自分の中で楽しめるようにモードが切り替わるんです。

そういう私にとっての「近代への入口」の音楽には、この「古典交響曲」とは別に、マーラーの「交響曲第5番」もそうだったりします。ロマン派の真っ只中、または古典派のような曲を巧妙に展開をしつつも、しっかり「近代」の交響曲を聴かせてくる。この時期のマーラーもバッハを研究していた産物としてこの交響曲を作った(あと第4楽章のアダージェットは妻アルマへの美しいラブレターですね)というのも、プロコフィエフの「古典交響曲」と似ている部分があると思います。

なんだか、プロコフィエフの交響曲第1番の話をしていたのが、マーラーの交響曲第5番の話をしてしまっている。マーラーの交響曲第5番もNMLで名演や興味深い演奏を探してみることにしましょうかね。

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ヴィヴァルディ/テレマン/クラーク/L. モーツァルト:トランペット協奏曲集(アンドレ/北ドイツ放送室内管/エトヴェシュ)

NML-MCS-ED-9059

http://ml.naxos.jp/album/MCS-ED-9059 (2012/02/28鑑賞)

「トランペット協奏曲」って、協奏曲の中ではかなりマイナーなジャンルだと思うんですけど、私は結構好きなんですよ、そういうマイナーなの。協奏曲といえば「ピアノ」「ヴァイオリン」が二大巨頭なわけですけど、個人的には管楽器の協奏曲が好きです。トランペットもそうですが、クラリネットとかオーボエとか。そういうマイナーな協奏曲を聴けるのも、NAXOSならでは、NMLならでは、です。

自分が古典派ひいきだからかもしれませんが、「トランペット協奏曲」の鉄板は、やはりハイドンとフンメルのトランペット協奏曲でしょうか。エステルハージコンビ(笑)。2曲とも、聴いていると熱くなってくる。

それら2名のトランペット協奏曲は入っていませんが、バロックから古典派までのトランペット協奏曲を集めたのがこの盤。心地良いトランペットの音色に酔いしれることができました。

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(番外編) ベルワルド:交響曲第1番「厳粛な」, 第2番「気まぐれな」 (ヘルシンボリ響/オッコ・カム)/ ベルワルド:交響曲第3番「風変わりな」, 第4番「繊細な」/ピアノ協奏曲(ヘルシンボリ響/オッコ・カム)

http://ml.naxos.jp/album/8.553051http://ml.naxos.jp/album/8.553052

NML-8.553051 NML-8.553052

「番外編」と書いてみましたが、これらはNAXOSのアルバムですが、これはNMLで聴いたというよりも、ずいぶん昔に実物のCDを買って持っているものです。リッピングしておいたものを改めて2月にヘビロテしていたという感じ。

NMLは本当に素晴らしいサービスなのですが、鑑賞には通信が必要なこと、特に移動中は通信が途切れやすかったりiPhoneの電源が消耗したりといった移動中の通信をすることによるデメリット等もあって、NMLに契約していてもヘビロテするCDは実際に買う(そしてリッピングする)というのが正しいやり方なのかなと思っています。

このベルワルドという作曲家。生前はほとんど報われない作曲家だったようです。特に自国であるスウェーデンで。時代としては、古典派とロマン派の中間あたりに位置する作曲家でしたが、やはり独特の音階進行が当時の素朴な曲を聴き慣れた聴衆に理解されなかったのでしょうか。現代の我々はそれこそ不協和音の塊の音楽を聴き慣れているので、彼の曲を聴いてもその曲想は、古典派のエッセンスにどことなく現代風の味付けをした新鮮なもの、という印象を受けます。

特に聴き応えがあるのが「風変りな」と題された第3番。何かロマン派の時代の先を行くような不思議な響きがあります。本当は古典派・ロマン派時代の作曲家のはずなのに、私のプレイリストには間違って「近代」どころか「現代」に分類されていました。クラシック音楽の「現代音楽」の中でも、無調音楽や12音音階といった不協和音の塊の前衛音楽に半期を翻した「新古典派」や、近代から現代にかけて新しく生まれた機会音楽のジャンル「映画音楽」に近い響きを醸し出しています。

ベルワルドが残した交響曲はこの4曲のみのようですが、今後他のベルワルド作品も聴いてみたいと、4曲の交響曲をヘビロテしながら思いました。またNMLが役に立ってくれそうです。

CD帯紹介文より:結果的にはスウェーデンが生んだ最大の作曲家であったベルワルドは、生前自国ではほとんど評価されずに終わった人物です。作風は立派なドイツロマン派で、少し古典的なシューマンといったところでしょうか。国民楽派確立前の人物なので、いわゆる北欧風の香りは希薄ですが、実に壮大で堂々たる交響曲を4曲残しました。尚、ここに収められている交響曲第2番は、総譜の紛失により本当の第2番なのか疑問視されている“真作”です。

CD帯紹介文より:第3交響曲はベルワルドの最高傑作と言われています。激烈な第3楽章も相当なものですが、何と言っても第1楽章!非常に独特な和声進行が不思議な近代性と大らかな情感を生み出しており、ベルワルドの個性を十二分に堪能することができます。ただ、2年後に作られた第4番は、第3番よりぐっと古典的な肌ざわりとなっています。ピアノ協奏曲は死後に匿名で作曲コンクールに出されて好評を博したものの、ベルワルド作と判明するやいなや無視されお蔵入りした悲運の曲です。

…と今月聴いた中で記録と記憶に残ったのはこのようなものでした。マニアックなものが多いですが(というかNMLとNAXOSはマニア志向ですが)、興味が湧いたものがありましたら、一緒に語りにつきあっていただけると私が嬉しいです。

NMLの月額費用の元を取ろうというわけではないですが、好きな曲から苦手な曲まで、もっとたくさん幅広く聴いて、クラシック音楽ファンとしての知識の幅を広げたいなと思う次第です。

NMLノート 2012年1月版

こんにちは。2月になって心新たに邁進していきたいと考えている おがた です。

以前からEvernoteに書いていた「NMLノート」を2012年になってから1ヶ月単位でブログで公開することにしようかなと思い立ちました。今回が記念すべき1回目。

「NMLって何?」という方に説明。時々Twitterで私がつぶやいたりしていますが、正式名称は NAXOS Music Library月額1890円でNAXOS自身をはじめとした40,000枚以上のクラシック音楽(と一部ジャズ音楽)の膨大なライブラリが聴き放題となるサービスです。これは安い。とても安いと言われているNAXOSのCDでさえ1000円弱なので、1ヶ月2枚聴けば元が取れる計算になります。

CDにお金を払うことに特段の抵抗はないのですが、買ってきたCDをリッピングする手間、クラシック音楽特有のデジタル管理上の諸問題(後述)、そして買ってきたCDを保管する場所の確保の問題や売る手間…、といったことを諸々勘案した結果、月額1890円のNMLに加入して、クラシック音楽のCDは原則的に買わない・借りない事にしました。

上述で「クラシック音楽特有のデジタル管理上の諸問題」と書きましたが、クラシック音楽が持つ情報は他のジャンルの音楽よりも特に複雑だと感じます。例えばベートーヴェンの有名な第5交響曲(いわゆる「運命」)一つを取っても、演奏家違いの同じアルバムが大量にあったりします。協奏曲となると、指揮者・独奏者・オーケストラと演奏家が増えて、とてもアーティスト欄の一行で管理しきれません。同じ悩みを持っている人やこういう問題を放り投げた人が世の中には様々おられるようで、CDDBから降ってくる情報に一定のフォーマットとはあるとは到底言えず、時に全く適当な情報さえ降ってくる始末。結局、自分ルールを作って曲名を手動入力していくことになるのです。これが結構骨が折れる。でもそうしないと後で一定のルールで探せない。であれば、いっそのことCDから完全に離れて、NMLや生演奏に行こうではないか。そういう風に思ったのです。

ちなみに、クラシック音楽以外の音楽については、iTunesストアを利用したり、オンラインレンタルサービスでCDをレンタルしたりしています。でも、保管コストを考えてCDを買うことは本当に稀になりました。買うCDと言えば、iTunesストアにもオンラインレンタルサービスにも無いCDでどうしても欲しいもの、またはNMLで相当ヘビロテしているクラシック音楽のCDくらいです。

余談はこのくらいにして、2011年1月にNMLで聴いたアルバムをご紹介します。今月はそれほど聴いていません。

ビレット・コンチェルト・エディション 1 – シューマン:ピアノ協奏曲/グリーグ:ピアノ協奏曲(ビルケント響/ヴィト)

http://ml.naxos.jp/album/8.571270 (2012/01/09)

NML-8.571270

王道のカップリングですね。シューマンとグリーグのピアノ協奏曲イ短調。私のGoogle日本語入力なんて、「ピアノ協奏曲」と打った時点で「イ短調」が補完されるくらい。グリーグは先輩であるシューマンのピアノ協奏曲を参考に同じイ短調のピアノ協奏曲を作ったと言われるくらいなんですよ。

私はあまり演奏家チョイスはしないので、演奏家のことはよくわかっていないのですが、両方の曲の第3楽章の盛り上がりは名演だと思いました。

帯紹介文より:協奏曲のレパートリーだけでも100 曲以上。驚異のレパートリーを誇るトルコの女性ピアニスト、イディル・ビレット。ここでは、極めてオーソドックスな2 つの協奏曲を華麗に弾きこなします。2 曲とも、滝のようになだれ落ちる冒頭のパッセージが魅力的ですが、陰鬱さの中に激しい情熱を秘めたシューマン、凛とした表情と熱い心を併せ持つグリーグと、その表現はかなり違いを際立たせないといけません。ビレットの演奏は全く文句なし。そして、オーケストラをまとめるのはNAXOS きっての名手、アントニ・ヴィト。どちらの曲も終楽章の盛り上がりが半端ではありません。

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ディッタースドルフ:3つの標題シンフォニア(ファイローニ管/グロット)

http://ml.naxos.jp/album/8.553975 (2012/01/09)

NML-8.553975

私は「古典派」と呼ばれる時代のクラシック音楽が好きなのですが、「古典派」の作曲家で知られているのは、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンくらいで、その他の作曲家はすっかり歴史の中に埋もれてしまっています。古典派の前の「バロック時代」や、後の「ロマン派」はよく知られた作曲家が多いのに…、と子供の頃から不思議に思っていました。実際、他の時代と同じくらいの時代のはず。それもそのはず。クラシック音楽の商業主義の中では、売れる知名度の高い曲ばかり演奏者を変えて出すという風習がありました。NAXOSというレーベルは、演奏家や作曲家の知名度が低くても良い曲であれば積極的にアルバムにしていこう、という素晴らしい旗印のもと立ち上げられたレーベルです。

このディッタースドルフも古典派の作曲家ですが全くといっていいほど知名度がありません。NMLを漁っていて、たまたま見つけたようなもの。でも、このシンフォニアは聴き心地がよかったです。ディッタースドルフの他の曲も開拓していこうと思いました。

帯紹介文より:ウィーン生まれの作曲家、ディッタースドルフは極めて多くの作品を残しましたが、ほぼ同時代のハイドンに比すと、その僅かな古臭さのゆえか、無視された存在になりがちです。しかし実のところその作品は、ハイドン顔負けの新奇性が聴くものを驚かせるほど、フレッシュな魅力に溢れています。「感情の戦い」の「狂気」や「憂鬱」といった楽章で半音階的進行を交えながらの暗い響き、「作曲家の錯乱」(凄いタイトル!)冒頭での激しいシンコペーションには、ドッキリするものがあります。一方舞曲調の曲が中心ということもあり、明るい楽章はどれもウキウキするような音楽です。

ハイドンやモーツァルトは名曲中の名曲をいくつも作ったことは事実ですし、もちろん悪態つくわけではないのですが、彼らの駆け出し時代に作られた素人の色がまだ垣間見える曲を商業主義がフィーチャーするのであれば、こういう歴史に埋もれてしまった古典派の作曲家の円熟期の作品ももっと掘り出して欲しいと思います。その点においてNAXOSの姿勢は素晴らしい限りです。

モーツァルト:交響曲第38番「プラハ」, 第40番

http://ml.naxos.jp/album/7082 (2012/01/22)

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モーツァルトの後期交響曲の傑作の2曲。

もちろん、CDも何枚も持っていてリッピングもしているほどの有名曲ですが、プラハの第一楽章で演奏と音源が良くて、疾走感を感じるほどの速度で演奏された曲がないか探してみて見つけたのがこの一枚。

後期から晩年にかけてモーツァルトの交響曲のフーガといえば最後の第41番「ジュピター」の最終楽章が有名で、本当に神がかった名曲だと思います。フーガ好きで古典派好きにとっては何度聴いても夢ごこち。ただ、プラハも第1楽章の展開部で展開されるフーガ(フガート?)も緊張感があって好きです。遅い速度の演奏もありますが、その展開部が活き活きとして聴こえるのは適度に速度のある演奏だなぁとこの一枚を聴いて思った次第です。

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シューマン:ピアノ協奏曲/ドヴォルザーク:ピアノ協奏曲(ヘルムヘン/ストラスブール・フィル/アルブレヒト)

http://ml.naxos.jp/album/ptc5186333 (2012/01/22)

NML-ptc5186333

ドヴォルザークのピアノ協奏曲が聴きたくなって、検索して一番上のものをチョイス。名演かどうかはよく分からないけど、音源は良かったです。シューマンのカップリングのほうもツボを押さえたオーソドックスな良い演奏。しかし、このカップリングは珍しいですね。普通なら前述のようにグリーグがきそうなものなのに。

ちなみに、ドヴォルザークは交響曲作家として有名です。日本では第9番の「新世界より」がとても人気。そのいくつものフレーズを聴いたことがない人が居ないくらいです(第2楽章の「家路」や、第4楽章の冒頭等)。協奏曲としてはチェロ協奏曲が特に有名ですが、その他の協奏曲はあまり注目されず演奏頻度も低いようです。確かに、私も生演奏で聴いたドヴォルザークの協奏曲はチェロ協奏曲だけかも。チェロ協奏曲には劣るかもしれませんが、ピアノ協奏曲もドヴォルザークの面目躍如が散りばめられた名曲だと思います。

ハイドン:鍵盤のための協奏曲集(ショルンスハイム/デュッセルドルファー・ホーフムジーク/ウティガー)

http://ml.naxos.jp/album/c5022 (2012/01/23)

NML-c5022

古典派の作曲家の協奏曲を聴こう!という一環。

古典派の時代は、鍵盤楽器が入れ替わった時代でもありました。オルガンやチェンバロ(ハープシコード)が主流だった時代に、当時のピアノ(フォルテピアノ)が入ってきました。まだ当時のピアノは今のピアノような豊かな音色ではなく、ちょっと乾いたような音色です。

ピアノがない時代に作曲されたバロック時代のバッハの「チェンバロ協奏曲」を「ピアノ協奏曲」として演奏したりといったアルバムは多い(チェンバロ奏者よりもピアノ奏者のほうが大量にいるでしょうから)ですが、個人的にはちょっとなぁ…と思います。全て古楽器を使えとは言いませんが、チェンバロとピアノは完全に別だろうと。

このアルバムを聴こうと思ったのは、写真にも顔を出しているショルンスハイムさん。フォルテピアノ、オルガン、チェンバロと、マジ演奏多彩。帯紹介文によると音楽学者でもあるらしい。しかも音を聴いた限りでは当時のピアノを使っているっぽい。同じ鍵盤楽器だと言えど、ここまでプロとして各楽器を演奏出来る人はいませんし、過渡期だったハイドンの協奏曲を当時の楽器で演奏しようとしているその姿勢は素晴らしいと思います。今後もウォッチしたいです。

帯紹介文より:ハイドンのピアノ・ソナタ全曲演奏に偉大なる金字塔を打ち立てたショルンスハイム、今回は協奏曲で目覚ましい活躍ぶりを見せてくれます。2009年のハイドン・イヤーに合わせて録音されたこのアルバムでは、彼女は3種類の楽器を弾き分け、各々の曲の美質を明らかにします。国際的に音楽学者としても名高い彼女だけに、楽器の特性を存分に生かした輝かしい演奏と解釈は、かなりのハイドン通でさえうならせること間違いありません。グルックやホミリウスなどの録音で高い評価を受けている新デュッセルドルフ宮廷楽団のバックも冴えています。指揮をしているのはヴァイオリニストでもあるウィスコンシン生まれのメアリー・ウティガー。ムジカ・アンティクワ・ケルンやレザデューなどのバロック・アンサンブルと共演を重ねる実力派です。

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チャイコフスキー:交響曲第2番「小ロシア」, 第3番「ポーランド」(ソビエト文化省響/ロジェストヴェンスキー)

http://ml.naxos.jp/album/ALC1103 (2012/01/31)

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NAXOS推薦盤だったのでチョイス。古典派だけでなくチャイコフスキーのような後期ロマン派も大好物です。とくに第3番は大好きな部類。確かに録音も良い。

チャイコフスキーといえば、4番、5番、6番の三大交響曲が有名で演奏機会も多いですが、若い番号の交響曲も好きです。4〜6番は自分の心境を表した曲だとすれば、1〜3番を例えるなら郷土愛に溢れているようにも思えます。

…と、1月に聴いたNMLノートでした。せっかく聴き放題で1890円払っているので、苦手な曲を聴く・接するという機会も込めて、NML上で定期的に流されるNAXOSの推薦盤ももっと聴いてみようと思いました。

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