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数学が何の役に経つのかという質問と、それについて思うこと

おがた (@xtetsuji) です。

私が大学時代に数学を学んでいたということもあり、社会人になってからたびたび「数学は何の役に立つんですか」という質問を受けます。

この質問は定期的に聞くのですが、いつもどう回答すればいいのか悩みます。私は長らく「役に立つものは素晴らしい、役に立たないものは無駄なもの」という質問者の純粋な根底思想から発せられた質問なんだろうと考えていたのですが、ここ数年はどうも違っていそうだ、もっと別の真意がありそうだと考えるようになりました。

今回はそんな随筆です。

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浄輪寺にある関孝和の墓に行ってきました

昔は数学をやっていた、おがた (@xtetsuji) です。

3月15日(土曜日)に関孝和の墓に行ってお参りしてきました。江戸時代の大数学者です。

行ってみたかった

よく「東京の人は東京タワーに行かない」とか言われますよね。いつでも行けると思って行けない効果。最近も、札幌にずっと住んでいる人が北大のポプラ並木を見たことがなかったとかそんな話があって、自分も東京に相当長く住んでいるけど、そういう場所あったかなぁと考え直しました。

確かに東京タワーにも東京スカイツリーにも行ったことがない。かろうじて、都庁は良く行っているし東京ディズニーランドには行ったことがある程度。

昔勉強していて、今も勉強しなおしたいと思っている数学。そうだ、前々から興味があった関孝和の墓に行ってみようと思ったのでした。江戸時代の大数学科のお墓参りをして、改めて数学を勉強するぞと気合いを入れようと

行ってみた

検索してみるとすぐ場所が分かります。

一番近い場所に至る方法は、都営バスの「白61」という新宿と練馬車庫を大回りして運行している系統に乗って「牛込弁天町」というバス停で降りること。降りたすぐ近くに関孝和の墓がある「浄輪寺」にたどり着けます。

浄輪寺への入口

浄輪寺への道路からの入口はこんな感じ。「都史跡 浄輪寺」という石碑があるのですぐ分かると思います。

浄輪寺の入口の石碑 関孝和の墓、浄輪寺の入口

特に入るのに何か必要なわけではないので、とりあえず気を使いつつ入ります。

境内は普通の寺で普段は静かな場所です。通常の墓地となっており、関孝和の墓はその奥まった部分にあります。道は狭いので、知らずに入っていくにはちょっと勇気が要りますが、入っていくとすぐ分かります。

関孝和の墓

境内はそれほど広くないし大体一本道なので、都によって立てられた看板が目に入って、すぐ関孝和の墓の場所は分かると思います。

関孝和の墓の正面

看板には生い立ちや、その偉業の数々が書かれています。とても簡潔に分かります。

関孝和ってどんな人

江戸時代の数学者(和算家)です。詳しくはWikipediaの解説を読むと良いと思います。

例えば、高校時代に習ったことがある人もいる、あの「行列式」を世界で最初に見出した人でもあります。江戸時代に中国からもたらされた算術が日本国内で高度に発展した「和算」の中でも、取り分け「算聖」と呼ばれるまでになった人。後になって数学史研究者によって、西洋数学よりも数々の事実を先に発見していた人として、今に知られるようになりました。

墓はパワースポット?

大学が池袋の近くにあったころは、ときどき雑司が谷霊園を通り道にしていたことがありますが、あの墓地にも文豪の墓があったりして、良い散歩スポットだったことを思い出しました。

関孝和の墓、今あるのは二代目の墓とのことですが、ここにもともと関孝和が埋葬されたのかと感じると、特に何かをお願いしたわけではないですが、何かパワーがもらえたように感じます。そんな清々しい気分を味わいました。

暗いイメージが先行する墓場ですが、今を切り開いてくれた偉大な先人に敬意を表すキッカケになることは良い事はないか、今回の「墓参り」を通じてそう思わせてもらいました。

最近は帰省時期が悪く、自分の先祖への墓参りがここ数年できていないことが思い出されます。良くないですね。今年は彼岸の時期に帰省して、先祖の墓参りができるようにしたいと思います。

おまけ画像

3月15日、今年は厳冬でまだまだ冷えている感じではありましたが、境内の入口近くの木には元気に花が咲いていました。桜はまだとして、梅とかかな。病気の連続、そして2月からの新生活で色々忙殺されている中、少し心が癒された感じがしました。

関孝和の墓の近くに咲いていた花

 

久々に大書店「ジュンク堂書店池袋本店」に行ったけど、やっぱり良かった話

昔はかなりの読書家だった おがた (@xtetsuji) です。

今日、本当に久々にジュンク堂書店池袋本店に行ってきました。言わずと知れた日本最大級の売場面積を誇る大書店。

以前は大学が池袋のジュンク堂書店の近所にあったので、専門書(数学科だったので主に数学の専門書)を買いに毎週のように通っていましたが、社会人になってから足が遠のきつつありました。

特に忙しくなってから、一通り仕事での専門書(プログラマーになったので主にコンピュータ書籍)を買うと大体買い方が分かってきたので、ネットで流行をウォッチしてネット書店Amazonで買うという流れが定番になってきました。最近は娯楽でマンガを買ったり、コンピュータ系の雑誌を買ったりすることもありますが、自宅近くの小さめの街の書店で買うことが多いです。

どうして大書店から足が遠のいたか考えてみましたが

  • 自分の拠点から遠くなった
  • 大書店は人の集まるところにあるので、人混みが苦手な自分はそれを避けるようになった
  • 売り場が広いのでついつい歩きまわってみてしまって、結果疲れる

といった要因があるようです。ネット書店や街の書店にはこういうのは無い。

ただ、大書店ならではのメリットというのは確実にあるなぁとも思いました。

  • 品揃えが随一
  • 実際に手にとって見ることができる
  • 棚を俯瞰することができる
  • 新しい本との出会いが多い
  • 運動になる

ネット書店の手軽さを享受したい思いや、街の書店を大切にしたい思いもありますが、たまには大書店に行ってみるのも悪くないですね。新しい本との出会いが多くて、金や読書時間がいくらあっても足りないという新たな悩みも発生しますが…;。

今日購入した書籍は以下。

今回購入した書籍 - 2012年12月

今回はコンピュータ書籍フロア(5階)と、理工学書フロア(6階)を回ってきました。本当は数学書を買うつもりは無く(自宅をまさぐれば、学生時代の数学書はいくらでも出てくるから)、たんに2010年に改訂版が出た「解析概論」の中身を見てこようと思っただけでしたが、「そういえば解析学ばっかりやっていて、ガロア理論は学生時代からさっぱり分かっていないなぁ」と思って一冊買ってきました。表紙はヌルそうな感じですが、中身はしっかり書かれていたので、これをチョイスしてみました。数学書は本当に数が多い。コンピュータ書籍よりもずっと数が多くて、しかもページ数の割に値段も高くて、自分の一冊を見つけるのは本当に苦労します。学生時代は書籍を買うためにバイトをしていたくらいです。

解析概論の改訂版は、中身が本当に綺麗に組版されていて、本当に買う直前まで行きましたが、金がない事と、荷物が重くなること、第3訂を持っている事を考えて、今回は買いたい気持ちをグッと堪えました。

過去の改訂版を持っているから買わなかったといいつつ、「LaTeX2e美文書作成入門」(通称:奥村本)は買ってしまいました。というか、この書籍は学生時代は初版から版が変わる毎に買っていたくらいのLaTeXマニアでした。最近はLaTeXからはすっかり離れてしまっていましたが、MathJaxをいじりはじめたり、仕事の文書作成でもLaTeXを利用してみようかと思い始めたこともあり、最近のLaTeX事情を知るために購入してみました。

「Webサービスの作り方」は今話題のコンピュータ書籍です。Amazonで買おうかと思いつつ思いとどまっていたのですが、店頭に並んでいるのを見てつい買ってみました。

オライリーの書籍も買おうかと思いましたが、池袋ジュンク堂書店ではまだ「2012年秋のオライリーセレクションフェア」が始まっていないようだったので、購入を控えました。良書とネットで散々話題になっている「リーダブルコード」や、Haskellの書籍「Real World Haskell」など以前から興味があった書籍を手にとって買う気まんまんだったのですが、そんなわけで次回へ見送ることに。

オライリーのフェアについては店員さんに聞いて、開始したら電話してもらうことになったので、そうしたらまた足を運びたいと思います。

久々に行ってみた大書店はとても良くて知らない書籍との出会いも結構あったので、Amazon等のネット書店や街の小さな書店と使い分けて、これからも億劫がらずたまには足を運ぼうと思いました。

電子書籍が流行っていますが、紙の書籍もいいものです。ただ、東京の狭い自宅では書籍の保管スペースが…;。もう既に部屋には積み本タワーがいくつも…;。何事もトレードオフなのかもしれませんが、難しい問題ですね。

はてなブログでMathJaxを使う

こんにちは、ずいぶん昔に数学科で数学を勉強していた おがた (@xtetsuji) です。

2014年3月5日追記: 2014年3月現在、はてなブログはhead要素中に任意の要素を差し込めるようになっています。ダッシュボードからブログを選択して、設定→詳細設定→headに要素を追加、にMathJaxのタグを追加してやるだけで良いです。

はてなブログの設定でMathJaxを全域で有効にする

というわけで以下は古い情報です。

………

さる2012年11月7日はてなブログが1周年だそうで、当時作ったっきり何も書いていなかったはてなブログ ogata.hatenablog.com を思い出しました。「とりあえずサブドメインスクワッティングで ogata 取れるかなー」と思ったら取れちゃった感じ。普段は日本中のオガタさんやテツジさんに負けているのに、たまたまでした。

このメインブログ(?)は2012年11月現在Posterousで運用させてもらっている(色々細かいところが気に食わないので今後変えるかもしれない)のですが、何か別の使い方ができないかなーって考えて、はてなブログのほうは数学とMathJaxの実験場にしてみるかと、数学の記事をいくつか書いてみました。

MathJaxとは、LaTeXやMathMLの記法で数式が書けるJavaScriptライブラリ。Ajaxでいろいろやってくれるスグレモノ。この分野だと、昔はLaTeX記法をクエリ引数に渡して画像化してくれるmimeTeXなんてのものがあって、はてなダイアリー(ブログじゃない古いほう)でも対応しているようだけど、なんとなくMathJaxのほうが手元で実験して良かったなと思った。

理由:

  • mimeTeXは img 要素の src 属性の中に数式情報が入っちゃうけど、MathJax は HTML のソースコードの中に LaTeX 記法がそのまま見えるので、再利用性はさることながら、アクセシビリティという観点からも好ましい。
  • MathJaxが出力する数式のフォントクォリティが意外に良かった。mimeTeXの出力はアンチエイリアスされていないガタガタの線画数式GIF(?)って感じで、Web 2.0 から数年経っているのにコレはないよって感じ。
  • メインブログではもう容易に試せない状態だった。既にPerlの記事がたくさんあって、HTML中に書かれたASCIIのドル記号が数式の区切りや特別な意味を記事全体で持つなんて、今さらできないですよね。
  • 新しいものを試してみたかった。

「アクセシビリティって何?」という方は、全盲や弱視の数学学習者や数学者を想定するといいかなと思います。そういう方に対しても、スクリーンリーダーでLaTeX記法が読みあげられれば意図が伝えられます。結構大事。実は私の学生時代のゼミの先輩も全盲でした。

MathJax では LaTeX のようにASCIIのドル記号で囲む事でインライン数式を表現できるのですが、Perlの記事がたくさんある状態でそれをやったら…。インライン数式とブロック(ディスプレイ)数式の始点と終点の記号をMathJaxの設定で選べはするのですが、なんか面倒だし最初から複雑な事はやらないでおこうということで避けました。

MathJax は LaTeX 記法だけでなく MathML 記法も解釈するらしいですが、手書きで MathML を書く人がいるとは思えないので説明は省略します。

といった前段を済ませたところで、はてなブログに MathJax を埋め込む方法を解説します

MathJax は自分のサーバに設置することもできますが、MathJaxのCDNがあるのでそれをそのまま利用させていただきます

まずはてなブログを一つ作っておく必要があります。既に作ってあるはてなブログで記事を新規作成するわけですが「見たまま編集」から「HTML編集」に切り替えて、冒頭に以下のHTMLを入れます

<script type="text/javascript" src="http://cdn.mathjax.org/mathjax/latest/MathJax.js?config=TeX-AMS-MML_HTMLorMML"></script>
<script type="text/javascript">// <![CDATA[
MathJax.Hub.Config({
  tex2jax: {
    inlineMath: [['$','$'], ['(',')']],
    displayMath: [['[',']']]
  }
});
// ]]></script>

MathJax公式サイトのCDN(Contents Delivery Network)を使って読み込みます。本当はhead要素内に書けと指示されているものなのですが、それができないのでここで書きます。

はてなブログのバグのようなのですが、上記のHTMLを空白の「HTML編集」画面にコピペするとブラウザがフリーズするようです。もしフリーズが発生するようであれば、ダミーで何か文字を書いておいてコピペするとうまくいくと思います。

複数の記事を作る場合も、都度同じscript要素のHTML断片を冒頭に入れましょう。その記事がこのHTML断片を含んだ他の記事と一緒に表示されるかは分かりません。一意URL(Permalink)から特定記事だけ表示されるかもしれません。また、重複してこれが書かれていても無駄なリクエストは発生しないはずです (HTTP的に言えば、重複してsrc要素へGETをしても重複リクエストへはCDNが304 Not Modifiedを返すか、ブラウザが賢ければJavaScriptファイルをキャッシュするでしょう)。ただ MathJax.Hub.Config() の設定値はブログ全体で統一しておいたほうが良いでしょう。

設定値は色々ありますので、興味があればMathJax公式サイトを参照ください。設定項目のページも参照。

上記の設定は

  • インライン数式の始まりと終わりをASCIIドル記号 “$”、または “(” と “)” の組で宣言
  • ブロック(ディスプレイ)数式の始まりと終わりを “[” と “]” の組で宣言

という内容です。JavaScript のシングルクォート中の “” 記号 (0x5C、円マークかバックスラッシュ記号) の扱いのため、それ自体の表現は と二重で書く必要があります。

サンプルは「OGATA Tetsuji の数学ブログ」 ogata.hatenablog.com で見られますので(2012年11月現在)、HTMLソースを表示させて雰囲気を感じてみてください。

改めて(というかほぼ初めて)触ったはてなブログもそこそこの使い勝手でしたが、MathJaxいいですよー。これほどまでにきれいな数式記号が再現されるとは…。なんか自分、数学好きというか記号好きなのかもしれない。最近は当時勉強した数学を思い出したりしているので、MathJax/LaTeXの体験も兼ねてぼちぼち更新していこうと思います。