高校時代の修学旅行と「怪盗セイント・テール」のお話

高校時代の修学旅行と「怪盗セイント・テール」のお話#interest_aeこんにちは。ここ最近、女児向けアニメ…に見せかけた大人向けマジキチアニメ「ジュエルペット サンシャイン」が面白くてたまらない おがた です。

今宵、遅くまで一人で外で飲んでいた際、ふと高校時代のことを思い出したので書いてみます。

お話は高校2年生の時の修学旅行の時の話。今までの人生を半分に分割した分割点あたりです…というと歳がバレますかね。

高校時代の修学旅行は「飛行機プラン」と「鉄路プラン」の二種類があって、学年全体でどちらにするかアンケートを取ったのですが、このころ起こった飛行機事故(何だったか失念)がセンセーショナルに報道されたことと、鉄路のほうが一日修学旅行(というか移動時間)が長くなる、ということもあってか「鉄路プラン」が選ばれました。

行き先は「奈良」「京都」そして「東京」。一週間ほどのプランだったと思います。私の在籍していた高校は北海道帯広市にあったのですが、鉄路ではそれは遠い道のりでした。早朝に帯広駅に集合して学年全員が出発したにも関わらず、その日の夕方にいたのは函館駅でした。半日経っても、まだ北海道すら出ていない!たぶん単線がほとんどの北海道の路線では、貸切だったはずの列車はたびたび待合駅で途方も無い時間待たされたのでしょう。まぁ、道中は楽しかったものでした。事前に物産展で八つ橋を買っておいて食べながら「おい、京都はまだだぞ」とクラスメイトにツッコンでもらったり…。

中学校の修学旅行で青森に行ったのが最も南への旅だった私は、夕陽が沈む函館駅で乗り換えの電車を待ちながら思いを馳せていたのでした。

乗り換えた寝台列車が青函トンネルを抜けて、青森駅に着いたのは既に深夜。深夜の列車、特に貸切列車ともなると、貨物列車との待ち合わせも長いのでしょう。青森駅で1時間以上停車することになったようです。函館で配られた弁当も早々に消化した私と、私と一緒のグループだった二人は、当然期待で眠れるワケもなく、UNOをしたりして退屈しのぎをしていました。窓の外は、深夜の青森駅のホーム。静かです。大人になった今の私だと風情を感じるところでしょう。

その時に、同じグループの一人が、青森駅ホームの売店が開いていることを発見して「何か買ってくる」と外に出ていきました。残された私達二人は「面白そうな食べ物や退屈しのぎできそうな物を買ってきて」と適当にお願いしたのでした。

帰ってきた探検隊の彼が買ってきたものは、確か以下のようなものだったと記憶しています。

  • りんごシャーベット3つ
  • スポーツ新聞
  • なかよし

りんごシャーベットは、まぁ青森だなぁというチョイスですね(もしかしたらアイスだったかもしれません)。スポーツ新聞もまぁ無難な暇つぶしアイテムですが、度肝を抜かれたのは「なかよし」でした。そう、少女漫画雑誌です。

ただ、実際に中を読んでみると意外に楽しいんですよね。私は高校時代も今も「ジャンプ」「サンデー」の類の少年雑誌すら手にとって読んでいなかったので、あの雑誌の質感も新鮮なものでした。

なかよし連載と言えば「魔法騎士レイアース」等のCLAMP作品や「セーラームーン」等が有名ですが、この深夜の青森駅で買ってきてもらった時のなかよしの巻頭は「怪盗セイント・テール」という漫画でした。当時、アニメ化されるほどのヒットになった作品です(この時点ではアニメ化はまだだったはず)。

青森駅を出発して、退屈しのぎになかよしを回し読みしていくうちに、他の漫画は特に気にも留めなかったのですが、「怪盗セイント・テール」だけは三人一致で「面白い」と話題になりました。続きが気になる、連載当初が気になる…。そんな話をしつつ、眠りにつき、列車は南へ西へ向かって行きました。

その後、奈良に着き、教師が組んだ流れで鹿を見たり寺を見たり引率されつつ、京都へ移動することになりました。京都では自由時間がありました。自由時間といっても、グループごとに事前に計画を立てて古都をまわるといった内容だったと思います。

ここで問題だったのは、私と一緒のグループだった二人は、写真部の部長と副部長だったということでした。京都の観光プランは彼らに任せっきり(歴史とか当時興味がなかったので)だったのですが、比較的まともな寺巡りをした記憶があります。ただこれは、漫画「究極超人あ〜る」(写真部が舞台の漫画らしい)の修学旅行の回にのっとったプランだったようで、要所要所で彼らの迷言(たぶん作中に出てきたものだと思う)を聞いてハテナマークを頭に浮かべていた思い出があります。

寺巡りはそれなりに、グループの3分の2が写真部ということでこの後、京都でそれをやるか的なカメラ屋巡りに延々と付き合わされることになるのでした。

さすがにカメラに興味がない私の意見も聞いてよと懇願し、理工学系の専門書店に少しだけ行かせてもらえることになりました。当時は数学と物理に執心していたものの、地元のやる気のない書店では大学レベルの微分積分の教科書すら買うことができません。ここは寺だらけだけど、京都大学を含む各種優秀大学のお膝元!ワクワクせずにはいられませんでした。

適当に探して入店したのは「オーム社書店」(検索したら今はもう無いらしいです)。あの理工系書籍の出版元オーム社の直営店だったのでしょうか。その名前と店の門構えに感動した覚えがあります。ただ、オーム社を知らない人が多いのか、この日の2日後が某カルト宗教で逮捕された某教祖の初公判だったからか、店の前には張り紙で「当店はオウム真理教とは関係ありません」と書いてあったのが印象的でした。というか、この初公判直前という何とも微妙な時期の修学旅行で、各地、特に人が多く集まる場所が微妙な雰囲気になっていたのは今も印象に残っています。

「オーム社書店」に入店して、数学書を嬉々として物色していると、なんと店名には似合わない漫画コーナーがあるのです。そこで「怪盗セイント・テール」の単行本を発見して、思わず大学の微分積分の教科書と共に「怪盗セイント・テール」の単行本もその時点で刊行されていた全巻をコンプリートしてしまいました。

その後、京都で宿泊をしたあとは、東京に移動。学校側の流れで東京の初日はディズニーランドに行ったのですが、ディズニーランドにまるで興味が無かった我々は、隅っこにあったマジックグッズショップでマジックの実演をしていたおにいさんを終日ずっと見て楽しんでいました。乗せられて買ったマジックグッズを試しながら広場の真ん中で座って時間が過ぎるのを待っていたら、ちょうどエレクトリカルパレードを最前列で見ることができたのは良い思い出でした。あれはディズニーに興味がなくても、花火が綺麗だと思う感性で楽しむことが出来る良いイベントですね。

ディズニーランドではフリーパスを渡されていたにも関わらず、当初聞いていた途方も無い待ち時間を聞いて辟易として、そもそも「乗り物」には一切乗らなかったのですが、「乗り物」に乗った人に後で話を聞いたら「通常は30分待ちの乗り物がスイスイ乗れた」とのことでした。初公判効果なのだなと思いました。当時テレビのニュースでは「人の集まるところではテロの危険性が…」って繰り返し言われていましたし。そんな中、修学旅行を決行した学校側の校風はのどかだなぁと思います。

東京の二日目は自由行動。ですが、恐怖の「ヨドバシ・ビック・ドイ、3大カメラ店無間巡回」が待っていました。朝8時30分から自由行動が開始で新宿を出発するのですが、みんなは都庁等に行くわけですね。でも我々はヨドバシカメラに行くんです。開店10時なのに。何かの発売待ちでもないのに、1時間以上シャッターの前で待つ。その後、「部長」のカメラ物色と価格比較のために、無限巡回が開始されたわけです。唯一、新宿の紀伊國屋書店に小一時間行かせてもらったのが唯一叶った私の希望でした。後は、秋葉原でも上野でも、カメラ、カメラ、カメラ…。部長と副部長が「このカメラ、シャッター音がいいよねぇ」と言われても全然分からない。ただ、巨大カメラ店が、郊外のスーパーの鮮魚売り場のような広さでフィルムだけを売っている光景は、まさにここが日本のカメラの総本山なんだなと、人生の勉強になりました。

最後に部長の一言がすごかったです。「京都のほうが安かった」。京都でさっさと買ってよ、と。

あれ、お小遣いは数万円のはずなのに、部長なぜか札束出して超武装されたカメラ買ってる…。

夕方に上野で学年全員が待ち合わせという予定だったのですが、三人とも何かに疲れて、まだ夕方になる前に待ち合わせ場所に着いて、休憩しつつ時間を潰していました。

結局、私が東京というものを本当の意味で巡って各所を知ることになったのは、大学進学で上京してからになるのでした。

その後、修学旅行から帰った後は、写真部の部室を拠点に、なかよしが定期購読され「怪盗セイント・テール」グッズやCDがコレクションされることとなったのでした。

…今宵、夜に一人で飲んでいて、最近になって(2011年11月)「怪盗セイント・テール」の単行本が新装版で復刊したことと夜の青森駅が思い出されて、こんなことを回想して文章を書いた次第です。

「怪盗セイント・テール」は多くの人が楽しめる今も通用する傑作だと思いますので、興味が湧いた方は新装版を買ってみてはいかがでしょうか。私も先日買って久々に「怪盗セイント・テール」ワールドに浸りました。楽しかったです。

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